【大学受験古文漢文】書き下し文が苦手な人のための3ステップ練習法

time 2025/05/26

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「漢文の語順がよくわからない」
「返り点を見てもどう読んでいいかわからない」
「書き下し文になると混乱してしまう」

こうした悩みを抱える高校生は少なくありません。現代文や古文に比べて、漢文は学習にかける時間が少なくなりがちなうえ、独特の語順や句形に慣れていないと書き下し文が非常に難しく感じてしまいます。

しかし、漢文の書き下しには明確なルールとコツがあります。感覚に頼らず、手順を守って練習すれば、誰でも正確に書き下す力を身につけることができます。

この記事では、「漢文の書き下し文が苦手」な人のために、３つのステップで学べる練習法を詳しく解説します。

そもそも「書き下し文」とは？

漢文とは、元々中国で使われていた文語文（文語体の中国語）です。そのままでは日本語として理解できないため、日本語の語順に直し、助詞や送り仮名を補って読む必要があります。

このときに用いるのが**「書き下し文」**です。

たとえば、

学而時習之、不亦説乎。

という原文は、

学びて時にこれを習う、またよろこばしからずや。

と書き下します。

漢文の語順（基本は主語→述語→目的語）と、日本語の語順（主語→目的語→述語）には違いがあるため、適切に語順を組み直す必要があります。また、日本語として自然な表現にするために「て・に・を・は」などの助詞を補う必要もあります。

書き下し文が苦手な人によくある３つのつまずきポイント

1. 返り点の使い方が曖昧

漢文特有の「レ点」「一二点」などの返り点を正しく読むことができず、語順の変更ができないケースが多く見られます。

2. 文の構造が見えていない

漢文は省略が多いため、主語や目的語を見落としやすく、どの語がどの語にかかっているのかを見分けるのが難しいと感じる人が多いです。

3. 書き下しに必要な助詞・補語を入れられない

単語は訳せても、「〜に」「〜を」「〜して」などの助詞が入れられず、不自然な日本語になってしまうという声もよく聞かれます。

書き下し文を得意にする！３ステップ練習法

それでは、具体的な練習法を３つのステップに分けて解説します。

ステップ①：返り点と語順のルールをしっかり覚える

まず最初に取り組むべきなのは、返り点のルールと訓読の基本的な語順を理解することです。これを知らずに書き下そうとすると、間違った語順になってしまいます。

返り点の基本

返り点	読み方	例	書き下し
レ点	下の語を先に読んで上に戻る	与レ之	之に与ふ
一二点	数字が大きいものから読んで、次に戻る	謂王一使人二	人をして王に謂はしむ
上中下	三語以上にまたがる返り点	これらは後で覚える	—

語順の基本

漢文は原則として 主語 → 述語 → 目的語 の語順です。

例：

君子愛人（君子は人を愛す）

これを日本語にする際には語順を入れ替えず、「君子は人を愛す」と書き下すだけで意味が通ります。ただし、返り点や句形により語順が変わる文は、返り点に従って並べ替える必要があります。

ステップ②：「型（句形）」を暗記して応用力をつける

漢文にはよく出る句形（表現パターン）が存在します。これらは「定型文」のようなもので、見た瞬間に意味と語順がわかるようにしておくと、書き下しが一気に楽になります。

代表的な句形と書き下し

句形	原文	書き下し文	訳
否定	不学	学ばず	学ばない
使役	使人謂王	人をして王に謂はしむ	人に王に言わせる
比較	愛人於己	己に於けるより人を愛す	己より人を愛す

これらの句形を「見てすぐわかる」ようにしておくことで、書き下し文の語順に迷わなくなります。

おすすめは、「句形ノート」を作って、自分が覚えた句形を一覧にまとめておくことです。参考書や授業で見た例文を書き写して、自分なりの解説をつけていくと復習にもなります。

ステップ③：短文練習から始めて徐々にレベルアップ

知識をインプットしたら、必ずアウトプットして定着させましょう。

1. 短文で練習

まずは短い文（4～7字程度）を使って、返り点を確認しながら書き下す練習をします。

例文：

鳥宿池中樹。
→ 鳥は池中の樹に宿る。

構造を視覚的にとらえ、意味のかたまり（主語・述語・目的語）を意識して書き下しましょう。

2. 文構造に印をつける

文のどの部分が主語・述語・目的語かをラベリングすると、構造が見えるようになります。

人不知而不慍。
→ 人（主語）が知ら（述語）ずして、慍ら（いから）ず（述語）。

こうした「構造の意識」が正確な書き下し文を作る土台になります。

3. 添削・自己チェック

できた書き下し文は、答えと見比べて添削しましょう。解答がなければ、学校や塾の先生、オンラインの添削サービスを活用するのもおすすめです。

保護者の方にできるサポート

漢文は「慣れ」の要素が大きく、日々の学習の中で語順や構文に触れていくことが大切です。保護者の方ができるサポートには、次のようなものがあります。

書き下し文の音読に付き合ってあげる（音読は効果抜群）
単語カードや句形カードを一緒に確認する
1日1文の漢文クイズを出す

特に音読は、正しい語順とリズムを身体で覚えるのにとても効果的です。無理に教えようとしなくても、「一緒に読み上げる」だけで十分サポートになります。

まとめ：書き下し文はセンスではなく、ルールと練習で伸ばせる！

書き下し文ができるようになると、漢文の内容理解が飛躍的に深まり、共通テストや記述問題でも得点力が伸びます。

もう一度、練習のステップを確認しましょう。

ステップ①：返り点と語順ルールを理解
ステップ②：よく出る句形（型）を覚える
ステップ③：短文練習→構造分析→添削で力をつける

書き下し文は、コツさえつかめば誰でも得意分野にできます。まずは「1日1文」から始めて、書き下し文の苦手を克服していきましょう！

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