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【大学受験数学】数学が壊滅的だった生徒が6割を取るまでの道のり

time 2026/06/02

【大学受験数学】数学が壊滅的だった生徒が6割を取るまでの道のり

「定期テストはいつも赤点ギリギリ、模試の偏差値は30台……」 「授業の解説を聞いても、最初の1行目から何をやっているのか分からない」 「志望校の受験科目に数学があるけれど、今から始めて本当に間に合うのだろうか」

受験を控えた高校生やその保護者様から、このような切実なご相談をいただくことが模試の返却時期や長期休みの前に急増します。英語や国語と違い、数学は「一度わからなくなると、どこから手をつけたらいいのか完全に迷子になる」という特性を持つ、非常に厄介な科目です。

しかし、絶望する必要はまったくありません。実は、大学受験(特に共通テストや中堅私立大、国公立大の共通1次レベル)の数学において、「全体の6割(60点)」を確保することは、正しいアプローチさえ知っていれば、現状がどんなに壊滅的であっても十分に可能です。

この記事では、数学の偏差値が30台だった「壊滅状態」の生徒が、どのようにして受験本番で堂々と6割をもぎ取るまでに至ったのか、その具体的な学習プロセスと勉強法を徹底的に解説します。

1. なぜ「壊滅的」な状態からでも6割なら届くのか?

まず、目標設定の現実味についてお話しします。「数学が苦手な人を医学部や東大の数学で満点近くに引き上げる」というのは、短期間では極めて困難です。それは高度なひらめきや思考の柔軟性が必要とされるからです。

しかし、「入試で6割を取る」という目標は、性質がまったく異なります。

大学入試の数学、特に共通テストや一般的な難易度の入試問題は、全体の約6割から7割が「教科書の章末問題」や「典型的な網羅系参考書(チャート式や基礎問題精講など)の例題」の組み合わせ、あるいは数値を変えただけの問題で構成されています。

つまり、6割を取るために必要なのは、天才的なひらめきや独創的な解法ではありません。「見たことがある定番の問題を、手順通りに、正確に再現する力」だけです。

数学が壊滅的な生徒の多くは、頭が悪いわけでも、才能がないわけでもありません。ただ単に「再現するための引き出しの作り方」と「引き出しから解法を取り出す練習」のやり方を間違えているだけなのです。

2. 壊滅的な生徒が絶対にやってはいけない「3つのNG勉強法」

ステップに移る前に、まずは今すぐやめるべき間違った勉強法を確認しましょう。これらに1つでも当てはまっていると、どれだけ机に向かっても点数は1点も上がりません。

NG①:わからない問題の解説を「じっと眺める」だけ

問題が解けなかったとき、解説を読んで「なるほど、そうやるのか」と納得して終わりにするパターンです。これは数学の勉強において最も時間を無駄にする行為です。「理解すること」と「自分で解けること」の間には、深い川が流れています。解説を見て納得しただけの状態は、他人がピアノを弾いているのを見て「引き方が分かった」と言っているのと同じです。自分で鍵盤を叩かなければ、絶対に弾けるようにはなりません。

NG②:最初から「難しい入試過去問」や「応用問題」に挑む

「もう受験生だから」「周りのみんながやっているから」という理由で、基礎が抜けた状態で実戦問題集や過去問に手を出すのは自滅行為です。数学は完全な積み上げ式の学問です。中学数学や高校の数学1Aがグラグラな状態で、数学2Bや数学3の応用問題が解けるはずがありません。基礎がない状態での演習は、ただの「苦行」であり、数学への嫌悪感を強めるだけです。

NG③:解法を丸暗記しようとする

「数学は暗記だ」という言葉を誤解し、問題と解答の文章を歴史の用語のように丸暗記しようとする生徒がいます。これも危険です。数学で覚えるべきなのは「解答の文字列」ではなく、「なぜその公式を使うのかという理由」と「解答全体の流れ(ストーリー)」です。数字や設定が少し変わっただけで全滅してしまう人は、この丸暗記の罠に陥っています。

3. 数学の偏差値30台から脱出する「4つのステップ」

では、実際にここからどのようにして6割の壁を突破していくのか、具体的なステップをご紹介します。

【ステップ1】プライドを捨てて「中学数学・教科書レベル」まで戻る

数学が壊滅的な原因の9割は、今やっている場所ではなく、それ以前のどこかの段階で「深刻なスタック(足止め)」が起きていることにあります。

まずは自分の現在地を正確に見極めましょう。もし「因数分解が怪しい」「平方完成がスムーズにできない」「確率の基本的な計算(順列と組合せの区別)がつかない」という状態であれば、高校2年や3年の教科書を閉じて、中学数学の総復習や、高校数学1Aの教科書の最も簡単な例題まで戻る必要があります。

急がば回れ、です。計算の基礎体力がないまま応用に進んでも、計算ミスを連発するか、途中で数式が追えなくなって挫折します。2週間から1ヶ月をかけてでも、徹底的に「基礎の計算」と「公式の意味の確認」に時間を投資してください。

【ステップ2】網羅系参考書の「例題だけ」を徹底的に繰り返す

基礎体力がついたら、いよいよ受験対策のコアとなる「解法パターンのインプット」に入ります。使用するのは、世の中で広く使われている薄手の基礎的な問題集や、網羅系参考書の「基本例題」のみです。

ここで大切なのは、「1冊をボロボロになるまで繰り返す」ことです。いくつもの参考書に手を出す必要は一切ありません。具体的な進め方は以下の通りです。

  1. 問題を読み、3分考えて方針が浮かばなければすぐに解説を見る。(壊滅的な状態のときに、1問に30分も悩むのは時間の無駄です)

  2. 解説の「解法の流れ」を理解する。「まず平方完成をして頂点を求め、その後にグラフを動かすのだな」というように、大まかなストーリーを頭に入れます。

  3. 解説を隠して、自分の手を動かしてノートに再現する。

  4. 再現できたらその問題に「◯」、途中で手が止まったら「×」をつける。

翌日、そして3日後、さらに1週間後に「×」がついた問題だけを何も見ずに解き直します。その本にあるすべての基本例題が「見たら1秒で解法のストーリーが浮かび、最後の日までノーミスで計算できる状態」になるまで、最低でも3〜4周は繰り返してください。

【ステップ3】「セルフレクチャー(自己講義)」で理解を本物にする

問題が解けるようになってきたら、本当に理解しているかを確かめる強力な手法を取り入れます。それが「セルフレクチャー」です。

ノートにガリガリと計算を書くのではなく、問題を見て「この問題は、最大値を求める問題だから、まずは文字について整理してグラフを描く。その後、定義域の真ん中の値と軸の位置関係で3つの場合に分けて考えていく……」というように、解き方の手順を口頭で自分自身(あるいは架空の生徒)に説明するトレーニングです。

これがスムーズにできるようになれば、解法の本質が脳に定着している証拠です。机がなくても、通学中の電車の中やベッドの中でもできるため、圧倒的なスピードで復習の回数をこなすことができます。

【ステップ4】時間制限を設けて「部分点をかき集める」過去問演習

基礎例題が完璧になったら、いよいよ過去問を使った実践練習です。ここで意識すべきは「満点を目指さない」というマインドセットです。

6割を取るための戦術は、「解ける問題を絶対に落とさず、解けない問題は最初から捨てる、あるいは(1)だけを確実に仕留める」というものです。

特に共通テストなどのマーク式試験や、大問がいくつかの小問に分かれている記述式試験では、各アイドルの大問の(1)や(2)の前半部分は、教科書の例題レベルの非常に易しい問題が配置されています。後半の難解な計算や応用問題に時間を奪われて、別の大問の簡単な(1)を解き忘れることほどもったいないことはありません。

過去問を解くときは必ずタイマーをセットし、「5分考えて詰まったら、その大問の後半は諦めて次の大問の(1)に進む」という、時間をコントロールする訓練を重ねてください。

4. 挫折を防ぐためのメンタルコントロールと科目特性の理解

数学の勉強を始めると、多くの受験生が途中で「やっぱり自分には才能がないんだ」と心が折れそうになります。そうならないために、数学という科目の「伸び方」の特性を知っておいてください。

英語などの語学は、勉強時間に比例して比較的なだらかに成績が伸びていきます。しかし、数学は違います。数学の成績は、ある日突然、階段を上るように一気に跳ね上がります。

これまでバラバラに暗記していた公式や解法パターンが、頭の中で突然「あ、あの問題とこの問題は、本質的に同じことをやっていたんだ!」と一本の線でつながる瞬間が必ず訪れます。それまでは、暗闇の中を歩いているようで不安になるかもしれませんが、「今、自分は脳内に解法の引き出しをせっせと作っている最中だ」と言い聞かせ、淡々と継続してください。

5. 保護者様へ:数学嫌いのお子様を支えるためのアプローチ

最後に、数学の成績に悩むお子様を持つ保護者様へ、家庭でのサポートのポイントをお伝えします。

① 「なんでこんな簡単な問題ができないの?」は禁句

数学が苦手な生徒にとって、その「簡単な問題」の解説に書かれている数式の1行の変形(なぜこの数字がここに移動したのかなど)が、まるで暗号のように見えています。大人が当たり前だと思うことでも、子どもにとっては大きな壁です。できないことを責めるのではなく、「どこまでは分かって、どこから分からなくなったのか」を一緒に整理してあげるようなスタンスが救いになります。

② 進捗の基準を「点数」ではなく「解いた回数」にする

模試の結果だけで一喜一憂すると、子どもはプレッシャーから数学の勉強自体を避けるようになります。「今回の模試の点数は悪かったけれど、問題集の1章の例題は全部説明できるようになったね」というように、本人がコントロールできる「努力の量」や「習得した問題の数」を評価してあげてください。

まとめ:正しい努力は裏切らない

数学が壊滅的な状態から6割を目指すルートは、非常にシンプルです。

  • プライドを捨てて、自分が分かる最も易しいレベルまで戻ること。

  • 信頼できる1冊の参考書の「例題」を、他人に説明できるレベルまで繰り返すこと。

  • 入試本番では、難しい問題を捨てて、簡単な問題と部分点を泥臭くかき集めること。

この3つを徹底すれば、どんなに数学に苦手意識がある生徒でも、数ヶ月後には「数学が足を引っ張らない、むしろ得点源になる」という状態を作ることができます。

もし、お子様が「どこから戻ればいいのか分からない」「一人で解法を理解するのが難しい」と立ち止まっているようであれば、個人のつまずきをピンポイントで見抜き、隣で並走してくれる専門家の力を借りるのも選択肢の一つです。

数学の霧が晴れるその日まで、一歩一歩、着実に進んでいきましょう。あなたの努力が実を結ぶことを、心から応援しています。


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