【大学受験現代文】現代文が苦手な人のための「読解の基本」5ステップ

time 2025/06/08

大学受験において、「現代文が苦手」という悩みを抱えている受験生は少なくありません。特に、なんとなく読んでなんとなく解いている、という人は注意が必要です。現代文は“センス”ではなく、正しい方法で“読み方”を訓練することで確実に得点を伸ばせる科目です。

この記事では、現代文が苦手な高校生に向けて、「読解の基本」を5つのステップに分けて解説します。感覚に頼らず、論理的に読み、問題にアプローチできる力を身につけましょう。

ステップ1：現代文は「読書」ではなく「情報処理」

多くの受験生が現代文でつまずく最大の原因は、「読書の感覚」で文章を読んでいることです。読書は楽しむものであり、自由に解釈してかまいません。しかし、受験の現代文は「設問に正解するための情報処理作業」です。

具体的には、

筆者の主張（=意見）
その根拠（=理由）
対立する意見（=反論）
抽象と具体の関係

といった構造を論理的に読み取っていく作業です。

つまり、現代文は「感想を言う場」ではなく、「正解を見つけるために情報を整理する場」なのです。この意識を持つだけでも、読み方がガラリと変わります。

ステップ2：段落ごとに「要点」をつかむ習慣をつける

現代文の文章は長く、内容も抽象的です。だからこそ、段落ごとに「何が言いたいのか（要点）」を読み取りながら進むことが重要です。

たとえば以下のように整理して読んでいきましょう：

第1段落：問題提起（例：「近年、人々の読書量が減少している」）
第2段落：原因分析（「スマホの普及が一因」）
第3段落：筆者の主張（「読書は思考力の基礎であり、重要である」）
第4段落：反論への言及
第5段落：まとめ・提言

このように段落ごとに意味を整理し、「この段落では何が言いたいのか？」を常に意識して読み進めることで、文章の流れをつかむことができます。

特に、筆者の主張がどこにあるのか、それがどんな理由で支えられているのかを見抜く力が重要です。

ステップ3：接続語と指示語を意識する

読解において、最も見落とされがちでありながら最重要なのが「接続語」と「指示語」です。これらは文章の論理構造をつかむための“道しるべ”です。

接続語の基本パターン：

逆接（しかし、だが、一方で）：前後の内容が対立・反論
順接（だから、したがって）：前の内容を受けて結果・主張
添加（また、さらに）：前の内容に情報を加える

このような接続語を見落とすと、筆者の立場や主張の方向性を読み違えることがあります。

指示語の確認方法：

「これ」「それ」「そのような」などの指示語が出てきたら、必ず直前に戻って「何を指しているか」を特定してください。

例：「このような状況が続けば、文化の衰退は避けられない。」
→「このような状況」って何？→直前の段落を確認！

この手間をかけることで、設問にも正確に対応できるようになります。

ステップ4：設問から「何を問われているか」を逆算する

本文を読む前に設問をざっと見ておくのも有効です。設問には「本文のどこが重要なのか」のヒントが詰まっています。

現代文の設問には主に以下のタイプがあります：

内容説明型：「〜とはどういうことか？」
言い換え型：「〜を別の表現で説明すると？」
理由説明型：「なぜ筆者は〜と述べたのか？」
空欄補充型：「（　）にあてはまる語句は？」

それぞれに応じた解き方のパターンを知り、「どこを読めば根拠があるか？」を逆算する癖をつけましょう。

たとえば「理由説明型」であれば、「なぜ？」に答えるために、“前後の因果関係”を探す必要があります。

ステップ5：「根拠のある選択肢選び」を徹底する

最後のステップは「選択肢問題の解き方」です。現代文の得点を安定させるには、“根拠を持って選ぶ”という姿勢が欠かせません。

選択肢問題でミスが多い人は、「なんとなくそれっぽいから選んだ」というパターンが多いものです。

正しい選び方は以下の通り：

本文に明確な根拠があるか？
根拠がある場合、その文と選択肢の言い換え関係を確認
選択肢の一部に誤りや極端な表現がないか？

選択肢には必ず“ひっかけ”が含まれています。たとえば「すべて」「絶対に」「まったく」などの極端な表現は誤答の可能性が高くなります。

そして、「選んだ理由が説明できるか？」を自問することが、自分の読解力を磨く一番の近道です。

まとめ：現代文は「センス」ではなく「技術」

現代文が苦手な人ほど、「何となく読んで、何となく解く」という曖昧な読み方をしています。ですが、今回紹介した5つのステップを意識して読解の「技術」を身につければ、点数は確実に安定してきます。

ステップ1：現代文は情報処理であると意識する
ステップ2：段落ごとの要点を押さえる
ステップ3：接続語と指示語に注意を払う
ステップ4：設問から読み方を逆算する
ステップ5：根拠のある選択を徹底する

受験は「正しい勉強法を知っているかどうか」で差がつきます。現代文も同じ。やみくもに演習を重ねる前に、まずは「読み方の基本」を固めましょう。基礎が整えば、あとはトレーニング次第で確実に得点力が上がります。

苦手意識を克服して、「現代文は得点源」と言えるようになる日も遠くありません。

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