【小論文】小論文が苦手な人に共通する３つの誤解とは

time 2025/07/11

小論文に苦手意識を持つ高校生は少なくありません。
「何を書いたらいいかわからない」「時間内に書き切れない」「内容が浅いと言われる」など、小論文に関する悩みは受験生の間で共通しています。

実は、小論文が苦手だと感じる人の多くは、書く力そのものが足りないのではなく、「小論文とは何か」を誤解していることが原因です。この誤解に気づき、正しい考え方と書き方を身につけるだけで、見違えるように文章力が伸び、入試でも高得点が狙えるようになります。

この記事では、小論文が苦手な人に共通する3つの誤解と、それを克服するための具体的な方法を紹介します。

誤解①「正解がないから難しい」

小論文に対して最も多い誤解が、「正解がないからどう書いていいかわからない」というものです。

◆ 本当に正解はないのか？

確かに、小論文には数学のような「一つの明確な正解」は存在しません。しかし、だからといって「何を書いてもよい」「自由に書けばいい」ということではありません。小論文には明確な「評価基準」と「良い答案の型」があります。

大学側が小論文を課す目的は、受験生の

論理的思考力
課題に対する理解力
自分の意見を筋道立てて表現する力
を見極めることにあります。つまり、**出題の意図に沿って論理的に展開された文章こそが、「正解に近い答案」**なのです。

◆ 解決法：評価基準と構成の型を理解する

小論文では、「内容」「論理性」「具体性」「表現」の4つが主な評価項目です。これに合わせて文章を構成すれば、評価される文章が書けます。

代表的な構成は以下の通りです：

① 問題提起（序論）
② 自分の意見（主張）
③ その理由・根拠（本論）
④ 具体例
⑤ 結論

この「型」を身につけるだけでも、「何を書けばいいかわからない」という不安はぐっと減ります。

誤解②「知識がないと書けない」

2つ目の誤解は、「小論文は社会問題などの知識がないと書けない」というものです。これも非常によく聞く悩みですが、実際は知識の多寡よりも思考の深さが重視されます。

◆ 小論文は「知識」より「思考」が問われる

もちろん、新聞やニュース、社会の動きに関心を持つことは重要です。しかし、小論文で評価されるのは知識の量ではなく、それに対してどう考えるか、どう判断するかです。

例えば、「高齢社会についてどう思いますか？」という課題が出た場合、知識を羅列するだけでは評価されません。大切なのは、

高齢社会がなぜ問題なのか
どんな影響があるのか
自分はどう考えるか
どんな対策が必要か

といった自分の視点と論理的な展開です。

◆ 解決法：知識よりも「具体例」を使う

知識に自信がない人は、「自分の経験」や「身近な事例」を具体例として使いましょう。たとえば部活動や学校行事、家族との会話などからテーマを連想することで、自分の言葉で深い考察ができます。

具体例を交えて説明することで、文章に説得力が生まれ、読み手の共感を得やすくなります。

誤解③「上手に書こうとしすぎる」

3つ目の誤解は、「かっこいい言葉を使おう」「きれいにまとめよう」としすぎて、逆に書けなくなるというものです。

◆ 上手に書こうとするほど、書けなくなる

多くの受験生が、「うまく書こう」と意識するあまり、手が止まってしまいます。その結果、

書き出しで悩んで時間をロスする
話が飛び飛びになる
途中で何を書いているかわからなくなる

といった状態に陥ります。

しかし、小論文で求められるのは「文章力」ではなく「論理力」です。文体が多少素朴でも、論理が明確で、主張と理由がつながっていれば高評価を得られます。

◆ 解決法：論理メモ＋アウトラインを先に作る

書き始める前に「構成メモ（アウトライン）」を作ると、スムーズに書き進められます。おすすめの手順は以下の通りです：

問題のテーマを確認
自分の意見を一言で書く
理由を2つ考える
各理由に対応する具体例を考える
それを順番に並べてメモ化

このように「思考を整理してから書き始める」ことで、焦らず落ち着いて自分の考えを展開できます。特別な表現や難しい言葉は不要。「読み手に伝わる文章」を意識することが第一歩です。

小論文が「得意になる人」は何が違うのか？

小論文が得意な生徒は、文章力が高いわけではありません。自分の考えを持ち、それを筋道立てて伝える訓練を積んでいるだけです。

言い換えれば、小論文は「技術」です。正しい訓練を積めば、誰でも得意科目に変えられます。

そのためには、

「正解はないが、評価される型はある」
「知識よりも、自分の考え方と具体例が大切」
「きれいに書くより、まずは論理的に書く」

という３つの誤解を捨てることがスタートラインです。

まとめ：小論文の誤解を解けば、誰でも伸びる

小論文が苦手な人は、「書けない」のではなく、「何を書けばいいのかわからない」状態にいることが多いです。今回紹介した3つの誤解を乗り越えれば、必ず書けるようになります。

誤解	本当は…
正解がないから難しい	評価基準と構成の型がある
知識がないと書けない	思考力と具体例で十分書ける
上手に書かないといけない	論理的であれば文体はシンプルでOK

小論文は、練習すれば確実に伸びます。そして、大学入試だけでなく、社会に出てからも役立つ「論理的思考力」と「表現力」が身につく貴重な機会です。

まずは一歩踏み出して、書いてみましょう。「型に沿って、自分の意見を自分の言葉で書く」。それが小論文の第一歩です。

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