【小論文】小論文の書き方で悩んだときの解決法を引き立てるコツ

time 2025/05/09

「小論文って、どう書き始めればいいのかわからない…」
「何を書いても自分の意見が浅く感じる」
「書けるけど、評価が伸びない…」

高校生からよく聞く声です。小論文は国語の読解問題のように「答えが一つに決まっている」わけではないため、不安を感じる人も多いでしょう。また、保護者の方にとっても、お子さんが小論文でつまずいていると「どこを手助けすればいいのか分からない」と悩むことがあるかもしれません。

しかし、小論文はコツと型を押さえ、実践を積むことで確実に上達できる分野です。この記事では、小論文の書き方でつまずいたときに役立つ具体的な解決法、そしてその解決法を「より引き立てる」ための工夫やトレーニング方法をご紹介します。

なぜ小論文でつまずくのか？

小論文が苦手だと感じる主な理由は、以下のようなものです。

テーマが広すぎて何を書けばよいか分からない
意見はあるが、根拠や理由があいまい
文章構成がバラバラで読みづらい
書きながら内容がぶれてしまう
語彙や表現が単調で説得力に欠ける

これらの問題は「書き方を知らない」または「型が身についていない」ことに起因します。つまり、解決法は“書く技術”と“考える技術”を両立させることです。

解決法①：「型」に沿って書くことを徹底する

小論文は自由に書くものと思われがちですが、実は基本的な「型」が存在します。最も汎用的で効果的なのは、次の3段構成です。

【三段構成の基本】

序論（導入・問題提起）
テーマに対して自分の立場や問題意識を示す
本論（理由・根拠・具体例）
立場の正当性を裏付ける理由や具体的事例を述べる
結論（まとめ・提案）
主張を再確認し、読者に伝えたいメッセージで締める

「何を書いていいかわからない」と悩む人は、まずこの型に沿ってメモ書きから始めてみましょう。文章にする前に、頭の中を整理することが大切です。

解決法②：意見が出ないときは「逆張り思考」で視野を広げる

「意見が思いつかない」「どちらの立場を取ればいいか分からない」というときは、次のような方法で発想を広げましょう。

【逆張りの視点】

一般的な意見の「反対側」をあえて考えてみる
自分の最初の考えをあえて疑ってみる
「〇〇が良い」と思ったら、「なぜそう思う人もいれば、そうでない人もいるのか」を考える

たとえば「AIの進化は社会にとってプラスか？」という問いに対して、「プラス」と答えるのは自然ですが、「マイナス」の側面（人間の仕事が奪われる、倫理的課題）を考えることで、意見に深みが出ます。

このような“視野の拡張”は、意見をより多角的に、説得力のある形で述べるために欠かせません。

解決法③：「誰に向けて書いているか」を明確にする

文章に説得力がないと感じる場合、その原因は**「読者の想定」が曖昧**であることが多いです。小論文では、自分の考えを「誰に」「何の目的で」伝えるかを意識することが、表現の質を左右します。

例：

読者：将来の職業について悩む中学生
目的：進路選択のヒントを与える

このように、読者像を具体的に思い描くことで、「どのような言葉で伝えれば伝わりやすいか」「何に共感してもらえるか」といった視点が自然と身につきます。

解決法④：「事例」は説得力を生む武器になる

抽象的な意見だけでは説得力に欠けます。そこで有効なのが、具体的な事例です。

良い例：

たとえば、災害時にSNSを活用して安否確認を行ったケースがあります。東日本大震災では、多くの人がTwitterで避難情報を共有し、助かった命も少なくありません。

こうした「具体的に何があったか」という情報を盛り込むことで、文章にリアリティが加わります。実例はニュースや本、学校で学んだこと、さらには自分の体験談でもかまいません。

解決法⑤：「書きっぱなし」ではなく「推敲」が上達の鍵

小論文の力を伸ばす最大のポイントは、書いた後の振り返り＝推敲です。

論理の流れは自然か？
意見と根拠のつながりに無理はないか？
表現がわかりづらくなっていないか？

このように、自分の文章を“他人の目で読む”習慣をつけることで、文章の質は劇的に向上します。

さらに、先生や家庭教師、家族に読んでもらい、感想や意見をもらうことも効果的です。他者の視点からのフィードバックは、自分では気づけない改善点を教えてくれます。

小論文の書き方を“引き立てる”＋αの工夫

上記の基本解決法に加え、さらに小論文を「読みやすく」「伝わりやすく」するための＋αのコツを紹介します。

1. 「語彙力」を磨く

言いたいことを正確に表現するには、豊かな語彙が必要です。

抽象語と具体語をバランスよく使う
同じ語の繰り返しを避ける
慣用表現や比喩をうまく取り入れる

2. 過去問や模範解答を「写経」する

入試で高評価の小論文を実際に書き写してみると、構成や言い回し、段落の運び方が体感として身につきます。「読む」だけでなく「書いてみる」ことで理解が深まります。

3. テーマ別のアイデアストックを作る

頻出テーマ（例：少子化、AI、教育、環境など）について、自分なりの意見や事例を日頃からメモしておくと、実際の試験で困りません。

保護者の方へ：お子さんをサポートするには

小論文は思考力が問われるため、保護者の方からの直接的なアドバイスは難しい場合もあります。ですが、次のようなサポートが子どもの成長につながります。

書いた小論文を読んで、「この意見は面白いね」と感想を伝える
ニュースや新聞を一緒に見て、「これについてどう思う？」と会話をする
模試や課題のスケジュールを一緒に確認し、学習ペースを整える

**小論文は「自分で考えて伝える力」**を養う訓練です。これは、進学だけでなく、将来の仕事や社会生活でも非常に大切なスキルです。

まとめ：小論文は「型」と「工夫」で必ず書けるようになる

小論文は“自由”ではなく、“論理と構成”に基づいた文章
基本の型（三段構成）と具体的な事例で説得力を高める
読者を意識し、推敲を重ねることで文章力が伸びる
語彙・表現・思考をバランスよく鍛えることが成功のカギ

小論文は「才能」ではなく「技術」です。どんなに最初は苦手でも、正しい方法で取り組めば、確実に伸びていきます。「書けない」と感じたら、まずは今回ご紹介した解決法から1つでも実践してみてください。

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