2022/08/25
【小論文】小論文を書く前に!アウトラインを作る習慣のすすめ
小論文を書くとき、「とりあえず書き始めてみよう」と思って、いきなり原稿用紙に向かっていませんか?
実は、それが小論文がうまく書けない最大の原因の一つです。
多くの受験生が「途中で話がずれる」「何を言いたいのか分からなくなる」「字数が足りなくなる(あるいはオーバーする)」といった悩みを抱えます。
その多くは、「書き始める前の準備不足」から生じています。
そこで今回のテーマは、「アウトラインを作る習慣」。
つまり、「小論文を書く前に、文章の骨格を作る」ことです。
このひと手間を加えるだけで、文章の質と安定感が劇的に変わります。
1. アウトラインとは何か?
アウトラインとは、文章の設計図のようなものです。
建物を建てる前に設計図を描くように、小論文もまずは全体の構成を決めてから書く必要があります。
小論文のアウトラインは、一般的に次のような流れで構成されます。
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導入(問題提起):なぜこのテーマが重要なのか
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本論①(原因・現状分析):今、何が問題なのか、なぜそうなっているのか
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本論②(意見・主張):自分はどう考えるか
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本論③(具体例・理由):その考えを支える根拠・体験・事例
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結論(まとめ):全体の主張を再確認し、提案で締めくくる
この「5段構成」を意識することで、論理的にまとまった文章が自然に書けるようになります。
特に大学入試小論文では、意見そのものよりも「筋道立てて書けているか」が評価されるため、構成力が最も重要です。
2. アウトラインを作るメリット
① 書くべき内容が明確になる
テーマを見た瞬間に、頭の中で考えがバラバラに浮かんでくる人は多いでしょう。
たとえば、「AIと人間の共存」というテーマが出たとき、
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AIの便利さ
-
仕事が減るかもしれない不安
-
人間の創造性の価値
など、様々な観点が浮かびます。
アウトラインを作ることで、こうした「思考の散らばり」を整理できます。
つまり、「何を中心に書くか」「何を削るか」を明確にできるのです。
② 話が脱線しなくなる
小論文でよくあるミスが、「途中でテーマから離れてしまう」こと。
これは、事前に構成を決めずに書き始めるから起こります。
アウトラインを作れば、「いま自分がどの部分を書いているのか」が常に分かるようになります。
たとえば、
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導入では「問題提起」だけに集中
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本論では「意見と根拠」を筋道立てて説明
-
結論では「全体のまとめと提案」
というように、各段落の役割を意識できるため、論理の流れがブレにくくなります。
③ 書くスピードが上がる
一見、アウトラインを作るのは「手間がかかる」と思うかもしれません。
しかし実際には、書くスピードを速めるための近道です。
なぜなら、構成が決まっていれば「次に何を書くか」で迷う時間がなくなるからです。
試験時間内で書き終えることが求められる小論文では、構成に迷う時間を減らすことが得点アップにつながります。
3. 実際のアウトライン作成手順
ここからは、実際にどのようにアウトラインを作るかを具体的に解説します。
紙に書く場合でも、頭の中で整理する場合でも、基本の手順は同じです。
ステップ①:テーマを分解する
まず、与えられたテーマの中で「問われていること」を正確に把握します。
たとえばテーマが「働き方改革について、あなたの考えを述べなさい」だった場合、
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働き方改革とは何か(定義)
-
どんな意義や問題があるのか
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自分はそれをどう評価するか
この3点に整理できます。
テーマを分解する段階で、「どこに焦点を当てるか」を明確にしましょう。
ステップ②:自分の立場を決める
小論文では、「どちらの立場か」を早めに決めることが大切です。
たとえば「テレワークは今後も広げるべきか」というテーマなら、
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賛成(働き方の自由を広げる)
-
反対(職場の一体感を失う)
のどちらを軸にするか、最初に決めましょう。
立場が決まれば、次に「その理由」を3つ程度メモします。
例:賛成の場合
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家庭と仕事の両立がしやすい
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通勤時間の削減
-
地方でも働ける
この段階で、すでに小論文の「骨格」が出来上がっています。
ステップ③:段落構成を作る
次に、文章をどのような段落構成にするかを考えます。
例:「テレワークの普及に賛成」の場合
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導入:働き方の多様化が進む中、テレワークが注目されている。
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本論①(現状):コロナ禍で一気に広がったが、今も課題がある。
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本論②(意見):私は、テレワークは今後も広げるべきだと考える。
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本論③(根拠):家庭と仕事の両立が可能/通勤負担が減る/地方の雇用が拡大する。
-
結論:テレワークを定着させるためには、働く人の評価制度の見直しが必要だ。
このように段落ごとの目的を整理すると、文章の流れが明確になります。
ステップ④:接続の流れをチェック
構成ができたら、段落同士のつながりを確認します。
論理のつながりが不自然だと、文章がぎこちなくなってしまうからです。
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導入→本論:なぜこの問題を考える必要があるのか
-
本論①→②:現状を踏まえて、自分の意見を提示する
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本論②→③:その意見の根拠や具体例を述べる
-
本論→結論:自分の主張を再確認して締める
このように、段落間の「橋渡し」を意識すると、読んでいて自然な流れになります。
4. アウトライン作りの練習法
① 1日1テーマで構成メモを作る
いきなり原稿用紙に書くのではなく、「構成メモ」だけ作る練習をしてみましょう。
たとえば、以下のようなテーマで構成案を1日1つ考えます。
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テーマ:「少子化対策はなぜ進まないのか」
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主張:若者の経済的不安が最大の原因
-
根拠①:非正規雇用の増加
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根拠②:住宅・教育費の高さ
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根拠③:支援制度の認知不足
-
結論:経済支援と情報発信の両立が必要
これを10分程度で書き出す練習を繰り返すと、どんなテーマでも構成のパターンが見えるようになります。
② ニュースをもとに構成を考える
時事テーマへの対応力をつけるには、ニュースを使うのが効果的です。
ニュースを読んだあとに、「この問題について小論文を書くならどんな構成にするか?」を考えてみましょう。
たとえば、ニュース記事を見て
「高齢者の交通事故が増加」
という内容だったら、
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導入:高齢者の事故が増加している現状
-
本論①:背景(免許返納制度・交通インフラの課題)
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本論②:自分の考え(免許返納を義務化すべき)
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本論③:理由(公共交通の整備、若者世代の支援)
-
結論:社会全体で支える仕組みづくりの必要性
というように、すぐに構成案を作る練習ができます。
5. 試験本番での活かし方
試験本番では、アウトラインを紙に書く時間が限られています。
しかし、日頃から構成を考える習慣をつけておけば、頭の中で瞬時に構成を組み立てられるようになります。
そのためには、普段から次の3点を意識しておきましょう。
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テーマを見た瞬間に「立場を決める」
-
書くべき理由・根拠を3つに絞る
-
導入・本論・結論の順で流れを整理する
この思考の型を習慣化すれば、本番でも安定して600〜800字を書き上げることができます。
6. まとめ:アウトラインが思考力を鍛える
小論文は、「文章力の試験」ではなく「思考力の試験」です。
つまり、考えを筋道立てて整理する力が最も評価されます。
アウトラインを作る習慣は、その「思考の筋道」を鍛える最強のトレーニングです。
構成力がつけば、どんなテーマでも落ち着いて対応できるようになり、「小論文が怖くなくなる」のです。
最初のうちは面倒に感じるかもしれませんが、慣れてしまえば頭の中で自動的に構成を組み立てられるようになります。
そのとき初めて、小論文が「書ける」だけでなく「伝わる」文章へと変わるのです。
今日から、原稿用紙に向かう前に、5分間のアウトライン作りを始めてみましょう。
それが、合格答案への最初の一歩になります。
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