2022/08/25
受動態を使う大きな2つの理由
受動態を使う理由は、大きく分けて「主語を言いたくない」と「主語と目的語の位置を入れ替えたい」です。
- Sを言いたくない! ※by~を使わない
- S←→Oの位置を変えたい! ※by~を使う
英語では(命令文を除いて)主語から文を始めますが、ときには「主語を言いたくない・言いづらい」場面もあるわけです。かといって勝手に主語を省略することはできないので、そんなときに受動態の登場です。受動態にして、by~を省略すれば、主語を隠すことが可能となります。
主語を言いたくない場面① 主語が明らかor不明
主語をあえて言う必要がないので受動態にする例は、I was born in Kumamoto.「私は熊本生まれだ」です。この表現は受動態です。bornはbear「産む」 の過去分詞形(bear- bore- born)です。もしby my motherをつけると「私の母によって」が強調されて、不自然な文になります。
また、He was killed in the war「彼は戦争で亡くなりました」も、「敵軍に殺されたのは明らか」とも言えますし、「敵軍の誰かまでは不明」とも言えるので、主語の
明示するのを避けるために受動態が使われるのです。
受動態はbyを伴わないほうが多い
主語を言いたくないから受動態を使うのですから、実際は「受動態ではby~’が省略される」ほうが圧倒的に多いです。Made in Japan「日本製」(This was made in Japan)でもby~が省略されています。
主語を言いたくない場面② 主語を隠して責任逃れ
I think that~を使うと「私の考え」だとハッキリして、その発言に責任が生じることもあります。しかし受動態のIt is thought that~ を使えばIが隠れ、「(私だけの意見ではなく)世間一般で考えられていることですよ」といったニュアンスが出て、いわば「責任逃れ」ができるのです。
A mistake was made.
ミスが1っありました。※ミスした人が隠れて、丁寧・柔らかい印象
「おばけ屋敷」が「ホーンテッドマンション」になる理由団
be haunted「おばけが出る」という熟語がありますが、 hauntは「よく行く」が基本で、She hounts the cafe.で「彼女はそのカフェによく行く」となります。主語を「おばけ」にしたGhosts haunts the mansion.「おばけがその屋敷によく出る」となりますが、主語(Ghosts) を口にしたくないという心理働き、The mansion is hauntedとまります。ちなみにhaunted mansionは分の詞形容詞的用法です。
受動態は無理に「~される」と訳す必要はない
受動態を使う理由は「主語を言いたくない」などであって、これさえわかっていれば必ずしも「される」と訳す義務はありません。Is your smartphone fully charged?
「君のスマホはフルに充電されてる? 」のように利害を表すのであれば、「される」はぴったりですが、「される」と訳して自然ならそのまま、不自然なら能動に置き換えた解釈すればOKです。スイッチすればいいだけです(以下の2つの例で、訳し方で迷うことはないはずです〕。
主語と目的語の位置を変えたいときに使う受動態
情報は後ろにくるものほど引き立ちます。Tom broke the window.「トムが窓を割った」であれば、the windowに重点が置かれます。この文はWhat did Tom break?
「トムは何を壊したの?」という質間への回答で使われたりします。一方、受動態The window was broken by Jun.「窓を割ったのはジュンなんだ」では、by Junが引き立つわけです。これはWho broke the window?「窓を壊したのは誰?」に対する回答で使われます。主語の出し惜しみといってもよいでしょう。
This program is presented by Suzuki.
この番組の提供は、スズキ(企業名)です。※by~が後ろにきてスポンサー名を強調
Tempura was eaten by Mari.は「天ぷらはマリによって食べられた」は不自然ですよね。この英文の真意はby Mariの強調で、「マリが」を強調できます。I was born in Kumamoto.では「主語が明らかなのでby~は不要」でした。I was born in Kumamoto by my mother.では「by mother」が強調されてしまい、無意味な強調になってしまいます。強調したいのは「by mother」ではなく、「in Kumamoto」です。
主語と目的語の位置を変えたい場面② 目的語を前に出す 応用
主語の出し惜しみとは逆に、目的語を前に出したいときにも受動態が使われます。目的語を前に出す理由はいくつかありますが、以下の2つが大切です。
- 前の文と「同じ主語で揃えたい」 ※文の流れが崎麗になる
- 主語→目的語を「時系列」で示したい ※代表格は動詞follow
(a)前の文と「同じ主語で揃えたい」(英文の統一感が出る)
Tom worked really hard last year, so she was promoted to section chief.
トムは去年一生懸命働いたので、課長に昇進した。
(b)主語→目的語を「時系列」で示したい
問:次の英文では、食事とワイン、どっちが先ですか? ※できれば即答を
Wine followed the food.
follow 「追いかける」は、A follow Bで「AはBを追いかける」になります。Wine followed the food.は「ワインが後・食事が先」だとわかります。これでは、後になるもんが先に来ているので紛らわしいです。そこですっきりさせるために受動態で、主語と目的語を入れ替えればいいのです。
The food was followed by wine.
食事の後に、ワインが出てきた
be followed byを「追いかけられる」と訳すのではなく、単に左から右の矢印(→)だと考えれば簡単です。
この形は順位を表すのに便利で、入試の長文・英字新聞・ニュースでよく使われます。
Tom finished the 800 meter race in first place, followed by Mike and Jhon.
800メートル走はトムが1位でゴールし、マイクとジョンがそれに続いた。
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