2022/08/25
さて中学生の皆さんには高校の選び方に関して
簡単に言及したいと思います。
ここでは商業科、工業科、農業科などの 専門学科ではなく
普通科、理数科などの一般的な学科へ進学 することを前提としてお話します。
ところで皆さんはすでに
どんな高校に入りたいか目標を持っていますか?
「そんなのいい高校に入りたいに決まっているよ」
そんな声が聞こえてきそうですが、
もちろんレベルの高い 高校に入ったほうがいいに越したことはありません。
ただし必ずしもそうでないという場合もあります。
高校に入ってからの授業はどう違うかといいますと、
授業進度が違います。
そして使う教科書のレベルが異なってきます。
高校で使う教科書というのは
同じ出版社のものでもレベル別にいくつか出ています。
やさしいものだと応用部分が省かれ
中学の内容から詳しく解説しているものもあります。
レベルの高い高校になると
応用範囲も授業で解説してくれますし、
偏差値65以上の高校だと定期テストに大学入試問題
がたくさん出題されたりします。
ここで偏差値について簡単に述べておきますと、
偏差値とは全体でどれくらいの位置にいるかを表す数字です。
塾や業者の模擬試験を受けると
必ず出てきますが、
ちょうど全体の真ん中にいる人が偏差値50となります。
例えば3000人が試験
をして、順位が1500位付近の人は偏差値50になります。
高校の選択は自分のレベルに合ったところへ行けばいいと
思いますが、
次のような場合について考えてみたいと思います。
A君は偏差値が58程度の実力があるとします。
X高校:偏差値52〜58程度の人が集まる
Y高校:偏差値57〜62程度の人が集まる
さてA君はX高校、Y高校のどちらを選択したほうがいいでしょうか?
これはもちろんー概に言うことができません。
A君の性格も考慮しなければいけませんし、
高校を出てからどういう進路を取るのかにもよります。
まず当面の目標はY高校に余裕をもって入学できるように
成績を上げていくことです。
現状維持というのは目標とは言いません。
目標とは自分が進歩、向上するために立てるものです。
しかし入試が近づいても
偏差値がそれほど変わらなかったという場合はどうするかです。
いろいろな意見があるかもしれませんが、
そういう場合私はX高校に進学することを強く進めています。
もちろん入試に失敗するというリスクを
避けるためでもありますが、
なんと言っても高校に入ってからのことが問題になります。
高校の授業はおおよそ中間上位レベルの生徒に合わせて行いますので、
仮にY高校に行ってしまうと授業についていくのが 大変です。
X高校であればA君は上位層でいられるので
学校 の授業は余裕を持って受けることができます。
「鶏口となるも、牛後となるなかれ」ということわざがあり ますが、
これば鶏の頭(小国の王)となっても、
牛の尻(大国の家臣) にはなるな、という意味で、
高校も学校のトップクラスにいたほうが
心にゆとりがでて有利になると思います。
苦手科目や苦手な分野にじっくり取り組めますし、
定期テストの準備もそれほど時間がかからないので
自分のやりたい勉強に多くの時間をかけることができます。
ところが必ずしもそうでないという場合ももちろんあります。
A君はとてもまじめで将来はできるだけいい大学に入りたい
という高い向上心があったとしましよう。
そういう場合はがんばってY高校にいったほうがいいです。
おそらくX高校に入ってしまうと
「もっとレベルの高い授業をしてほしい のに・・・」
と悔しさを感じてしまう可能性もなくはありません。
しかしだからと言ってあまり学校の授業のレベルが高すぎると
授業についていけなくなって挫折してしまうことが あるので
自分の実力を考慮して
学校の先生と相談しながら
よくよく考えて進路を決めたほうがいいでしよう。