2022/08/25

これさえ覚えておけば、もう活用形の判定に困らない。
活用形の正しい判定が、古文攻略の近道になる。
古文をすこしでも勉強している受験生なら、活用語が何形かを判定することが、解釈のうえでも文法問題を解くうえでも、いかにたいせつであるかは、もうわかっているはずだ。それでも文法書を見て、あまりの複雑さ、きまりや例外の多さにうんざりして投げ出してしまった人も多いだろう。もちろん文法書を一冊丸暗記すれば完壁だが、そこまで古文に時間を割けないのが現実だろう。
そこで、この記事の
「活用語が未然形であるための条件五箇条」
「終止形であるための条件五箇条」
「巳然形であるための条件三箇条」
の三つをとりあえず覚えてほしい。もちろん、たとえば未然形であるための条件は、この五箇条以外にもたくさんあるわけだが、受験生にとってはこの五箇条を知っいれば、絶対に十分で、困ることはあり得ない。あなたの古文の力はグンとアップすることを保証しよう。
〈活用語が未然形であるための条件〉
まず条件そのーは、直後に接続助詞の 「ば」がきて、仮定条件を形成する場合。いわゆる未然形+ 「ば」という形だ。接続助詞の「で」、終助詞「ばや」、「なむ」が直後につく場合も活用形は未然形となる。それに直後に未然形接続の助動詞群がくるときも活用形は未然形だ。
〈活用語が終止形であるための条件〉
終止形の条件は、まず直後に「。」がくる場合、格助詞「と」がくる場合、 そして係助詞「や」がくる場合がある。これらはいつも終止形につくわけではないが、この条件にあてはまっていれば終止形であってもいいわけだ。それに逆接の接続助詞「とも」、および、終止形接続の助動詞群がくる場合だ。ただし、終止形接続の助動詞群は、ラ変型活用語につくときにかぎり、連体形接続になるという特例だけは忘れないでほしい。
〈活用語が巳然形であるための条件〉
まず巳然形+接続助詞「ば」 で、順接確定条件となる場合でも、「ば」がきたら未然形の可能性もあるから、どちらか判定できないと思うかもしれないが、これは大丈夫だ。未然形と巳然形が同じ形になる活用語はないので、活用形を見ればかならず判定できる。つぎに接続助詞「ど」、「ども」、(省略)がくる場合。この (省略) は何かというと、この逆接の接続助詞が省略されている場合である。たとえば、「遊んでばかりいたとはいえ、気の毒に」 の 「いえ」 は己然形で、「いえども」 の 「ども」が省略されたものだ。最後に係助詞「こそ」 の結びがある。これは巳然形で結ぶというのが鉄則だ。この三条件に当てはまらなければ己然形ではない。
受験生が判定の際もっとも困るのは、活用形の語尾が同じである場合だ。未然形と連用形の活用が同じ、終止形と連体形が同じ、など、迷った経験がきっとあるだろう。しかし、どんな活用語でも、三つの条件を覚えておけば、たちどころに何形か判定できるのだ。つぎの例を見てみよう。
助動詞「る」 の活用は 「れ・れ・る・るる・るれ・れよ」、下二段型である。たとえばこの 「れ」が文中に出てきたとき、未然形か連用形かで迷うだろう。ここで 「未然形であるための条件」を思い出してほしい。未然形の条件五箇条に当てはまれば未然形、当てはまらなければ消去法により連用形だと、たちどころに判定できるはずだ。
つぎに、打ち消しの助動詞「ず」を見てほしい。活用表に「ず・ず・ず」 とあるように、未然・連用・終止が全部「ず」だ。では
「ず」と出てきたときは何形か。これも未然形の条件と終止形の条件の二つを覚えれば、同様に判定ができる。覚え方は、まず一字一句を正確に覚えたうえで、たとえば未然形の条件なら、「ば・で・ばや・なむ・る・らる・す 」 というように、ひとまとまりにして覚えてしまうのがいちばんいい。
活用語が未然形であるための条件 |
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活用語が終止形であるための条件 |
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活用語が已然形である条件 |
*印の条件は無条件で判定可能。 |