2022/08/25
試験時間は短い。そして、辞書も参考書も持ち込めない。しかも、あなたは緊張でガチガチになっている。こんな本番にあって、最大限に 効率よく得点を叩き出すための五つの原則を紹介する。
1. 本文、設問にと目を通してから、作業にはいれ!
問題が配られたら、まずザッと本文に目を通す。これは、単語の拾い読み程度でいい。ここでは、どんなことがテーマになっているのかが漠然とわかるだけで十分だ。そのあと、こんどは設間に目を通す。これによって、たとえば、抜き出し問題があれば、「と」 に注意など、ポイントをしぼった作業が可能になる。そのあとで、本文をじっくり読みながら、作業 にはいる。設問を解くのはそれからだ。
2. 長めの選択肢は、係助詞「は」までの内容は合っている!
本文にザッと目を通したあとは設問を読むが、このとき長めの文章の選択肢があったら、じっくり読んでほしい。こうした選択肢では、不正解の選択肢も、正解とそれほどかけ離れた内容にはなっていない。だから、選択肢を読むだけでも、かなりのところまであらすじが見えてしまうことがあるのだ。このとき注意して探ってもらいたいのは、選択肢の文章のなかの係助詞「は」だ。たとえば 「宮が女を京へ連れていこうと思ったのは-」 という選択肢があったとしよう。このとき、「は」 で受けられる内容があらすじ的なものであった場合、それは 真実であることがほとんどだ。つまり、出題者は本文のあらすじの一部を「は」 のまえにもってきて、「 なのは、・・・だからだ」 という構造の文にし、「・・・だからだ」 の後半部分でそれが事実か誤りかを尋ねてくる。この場合でいけば、「宮が女を京へ連れていこうと思った」 ことまで は、まさに “真実一なのである。この真実を知ってしまえば、本文を読んだときの解釈力は飛躍的に高まる。
3.ばか正直に「問1」から順番に設問を解こうとするな!
問題を解く順序も、効率よく得点を叩き出すための重要な要素のーつだ。まず、ばか正直に問ーから解こうとするのは最悪だ。順番としては、処理しやすそうな問題、つまり文法問題、文学史などを先に片づけてしまう。そのあと短めの選択肢問題、空欄の穴うめ問題、長めの選択肢問題、そして最後に記述式問題、という順序でいくといい。できる問題から先に手をつけることによって、それがヒントになって、あとの問題があっけなく解けてしまう。ことは、入試問題ではしばしばある。同じ実力でも、点数に差が出てしまう原因は、ひとつにはこの解く順番にあるのだ。
4.本文の訳注を最大に活用しろ!
古文では、人間関係やあらすじ、難語の類の「注)」がしばしばつく。この「注)」は、問題を解くうえで必要だからこそつけている。ときには、信じられないことに、正解を教えていることまである。「注)」はかならず現代語で書かれているから、まずじっくりと読んで、頭にたたきこんでほしい。
5.選択肢がしぼりきれないときは、他の設問の選択肢を眺めろ!
選択肢がしぼりきれないとき、ちょっと別の設間の選択肢に目を移してみると、両方いっぺんに正解が出てしまうことがよくある。出題者は、しばしば前問の選択肢を見ながらつぎの設間の選択肢をデッチあげるため、二つの選択肢グループのなかから、強烈な“意味ありげさーが感じられるものが浮き上がってくるのだ。問題を解くときは、このことを頭に入れておいてほしい。選択肢がしぼれないときも、これから解こうとするときも、こうした複眼的視野をつねにもっていてほしい。