2022/08/25
当学院にも医学部志望の生徒さんが入会されるケースがあります
長期的な展望とトータルコストで考えると
医学部付属高校と言う選択肢もありなのかなと思います。
以下引用記事
目次
学費が日本一高い「川崎医科大学」の知られざる「手厚い教育内容」
写真提供: 現代ビジネス
川崎医科大学といえば、神奈川県川崎市にあると勘違いしている人、あるいは「日本でもっとも学費が高い私立大学医学部」ということで知っている人もいるだろう(実際の所在地は岡山県倉敷市)。 【画像】早慶、上智、明治…史上初の学部別「序列ランキング」を全公開する! しかしそのような話題ばかりが独り歩きしてしまい、同大の教育の中身が紹介されることは意外に少ない。ここからは、知られざる川崎医科大学の教育の特色について紹介していこう。
面倒見の良さが人気
Photo by iStock(画像はイメージです)
川崎医科大学の学費は、6年間で約4700万円と私大医学部でもっとも高い。それだけに、学生の面倒見の良さには定評がある。医系専門予備校メディカルラボの本部教務統括の可児良友さんは、こう話す。 「かつて、3人のお子さんがそれぞれ国立大学医学部、とある私立大学医学部、川崎医科大学に進学した開業医のご家庭がありました。保護者の方は『学生をきめ細やかに指導するだけではなく保護者会などもあり、川崎医大が一番面倒見がいい』と話していましたね」 同大は学年担任制をとっており、4月から5月にかけて、担任教員がその学年の全学生と個人面談を実施している。成績不振の学生に対しては、担任や副担任の教員が懇談し、直接アドバイスしているという。川崎医科大学の福永仁夫学長は、次のように述べる。 「1~3学年、4~5学年を縦割り、6学年を単独で数名のグループに分け指導する「小グループ制度」があり、各グループは学期に1回ぐらいは食事をしながら懇親を深めています。 教員も学生一人ひとりのことをよく知っていて、両者の距離が近いのも特徴でしょう。また多人数講義形式ではない、小人数でのチュートリアル教育も多数取り入れ、学生は主体的に学び、教員はきめ細やかに指導しています」 実技指導に関しても手厚く、4年生から開始される臨床実習の前には、病棟を模した「臨床教育研修センター」の各種シミュレータ―を用いて診療手技などのトレーニングができる。 また医師国家試験の対策にも余念がない。6年次には、国試対策の集中講義を行い、実際の試験と同形式の卒業試験は3回実施される。6年間にわたる手厚いサポートで学力が伸びる学生も多いという。 在学中だけではなく、卒業後にも支援を受けられる。万が一、医師国家試験に不合格だった場合でも、卒業生は6年次の学年担当教員から定期的にアドバイスや激励を受けられる。一種の「予備校」のような役割までも果たしていると言えるだろう。 さらに、保護者への配慮も怠らない。医学部が創設された1970年から保護者会を実施しており、教育内容やカリキュラムなどに関して丁寧な説明を行っている。 その多くは医師だというが、保護者が医学生だったときとは、医学教育の内容や医師国家試験、研修制度などがまったく違う。そのため全国各地で年間10回前後の保護者会を開き、福永学長をはじめ教務担当副学長や学年担当教員が医学教育の現状、学年ごとの教育の特徴や現行の国家試験の仕組みなどについて説明し、さらに希望者とは個人面談も行っているという。
日本で唯一の「医科大学附属高校」
空から見た川崎医科大学附属高校(同校提供)
川崎医科大学のキャンパスから車で10分くらい走った自然豊かな場所に、「川崎医科大学附属高校」がある。全国で唯一の医学部附属高校だ。 約31万m2 の広大な敷地に校舎、男女別の寮が建ち、野球場や陸上トラックなどの施設が揃っている。全寮制のため全国から医学部志望者が集まってきており、気になる内部進学率は90%以上だ。今までの卒業生1756人のうち90.2%が川崎医科大学に内部進学。他大学の医学部も含めると、94.2%が医学部に進学している。 竹田義宣校長は、同校の教育についてこう話す。 「『9年間一貫教育』を目指して創設された高校です。川崎医科大学と連携した『ドクターロード』というプログラムを設置していること、自律心、協調性が身につく全寮制であることが大きな特徴でしょう」 1学年の定員は35人で、川崎医科大学への学校推薦型選抜入試の枠は約30人。2022年度は1年生29人、2年生28人、3年生25人なので、全員分の推薦枠はあるのだが、英語、数学、理科(化学、物理、生物)の試験に小論文、面接が課され、不合格者が出る年もある。 なお不合格者は翌年に限り、学校推薦型選抜入試を再度受験できる。勉強について教員からアドバイスをもらえるうえ、高3生と一緒に年4回の実力考査も受験できるなど、卒業後のケアも手厚い。 医学部に進学したい生徒が集まっているため、数学、理科、英語の授業時間が多いのも特徴。放課後に補習を実施したり、一部の授業を「演習」とし、習熟度別クラス編成を行ったりするなど、レベルに合わせたきめ細やかな指導を実施している。 また月曜から金曜の19時15分から22時30分までは、学習室での一斉自習時間とし、質問を受けるための講師も待機している。さらに土曜の午後には習熟度別の補習を実施。 このように、しっかりと勉強して学力を身につけられる環境だが、決して受験勉強一辺倒ではない。高校2年次には、3~4人のグループでテーマを決めて調査・研究・実験を行い、資料をまとめて発表する「テーマスタディ」を実施。将来の医学研究に向き合う姿勢や医師に必要な問題発見・解決能力を身につけることも目標としている。 また大学と提携したプログラム「ドクターロード」では、医学に関する実習、講義などを経験できる。たとえば、高校1年次には全国の大学医学部で唯一の「現代医学教育博物館」を見学し、調べたことをレポートにまとめる。 1年の2学期から1年間にわたり、川崎医科大学の教員が月1回のペースで講義を行う「メディカルスクール・アワー」では、高校生向けにアレンジした医大の教養科目、基礎医学や臨床医学の講義を受講できる。 このほか、生徒がインタビュアーとなって大学附属病院の医師に1対1で行う「医師へのインタビュー」や、医師となった卒業生の体験談を聴く時間もある。さらにコロナ禍で実施できなかったものの、川崎医科大学の研究室で実施される「医科大学体験実習」や、附属病院、障がい者・高齢者のための関連施設(旭川荘)などの見学も好評だった。 大学に進学する直前までサポートを受けられる点も、同校の特色ではないだろうか。 「1月上旬に学校推薦型選抜入試の合否がわかり、合格した生徒は2月上旬から約1カ月、『医科大学入学前研修』を受けます。午前中は高校で設定されたテーマについて調べて発表をするほか、一人ひとりがカエルの解剖も行い、午後からは大学に行って、ヒトの骨の名称を英語とラテン語で覚える『骨学実習』など基礎医学の入門編を学ぶ、といったプログラムです」(竹田校長) このように、高校生のうちから医学の現場のさまざまな側面を経験できるのが、医科大学附属高校ならではの大きなメリットだろう。
3食付の全寮制、気になる学費は…?
以上のように手厚い教育内容が魅力の川崎医科大学附属高校だが、1学年の定員が35人と少人数であるうえ、3食付の全寮制のため、授業料と寮費を合わせると学費は年間600万円弱かかる。 「医学部の現役合格は難しく、多浪生も少なくありません。そのことを考えると、現役で9割以上が合格する附属高校を選ぶ保護者の方もいらっしゃいます」(竹田校長) 仮に大学受験で浪人して、医学部専門予備校に通う場合、年間授業料が500万円以上かかることも多い。また何年も浪人して卒業が遅くなると、その分だけ生涯年収が減ることになる。同校の保護者の8~9割が医師だというが、学費を払う経済力があれば、「わが子をぜひとも医師にしたい」と考える親にとって、ひとつの選択肢になるだろう。 以上の通り手厚い教育内容が特徴的な川崎医科大学だが、医学部として数々の先駆的な取り組みも実施しており、「全国唯一」「日本初」のものも少なくない。【後編】『学費が日本一高い「川崎医科大学」が、全国の医大で初めて導入した「意外なモノ」』では同大の教育内容に加えて、そういった知られざる特徴を紹介したい。
庄村 敦子(フリーライター)
引用元 https://gendai.ismedia.jp/articles/-/96122