2022/08/25
福島県の県立高校入試では、
Ⅰ期選抜という自己推薦方式の推薦入試が行われています。
どの高校も募集定員の10~45%ほどの生徒を
このⅠ期選抜で合格(内定)させます。
これまでは、
学業による推薦(A推薦)と
部活動等による推薦(B推薦)の
二つの枠を設けて選抜を行ってきました。
しかし近年、郡山高校や安積黎明高校のように
このA・Bの枠をなくす高校が増えてきています。
このⅠ期選抜という制度。
勉強をがんばった生徒、部活動をがんばった生徒
一体どちらのための制度なのでしょうか?
県立高校の関係者の話によると、
Ⅰ期選抜は部活のための制度である!
というのが本当のところののようです。
考えてみれば当たり前のことなのですが、
評定がオール5のような優秀な生徒は、
Ⅱ期選抜でとれれば十分なんですね。
高校側としては、
スポーツや音楽などの部活動に秀でた生徒がほしいのが本音。
しかし、高校がほしいと思っている生徒が、
必ずしもその高校のⅡ期選抜を突破できる実力があるとは限りません。
ましてや、試験は水物ですので、
実力があったとしても、入試でその実力を発揮できる稼動はの保障はありません。
そのため、3年間の学業(5教科)の評定が、
高校が求める一定水準を満たしているのであれば、
部活動で優秀な成績を残している生徒を優先的に入学させてあげようというのが
福島県のⅠ期選抜の本当のねらいなのです。
ですから、仮にⅠ期選抜の募集枠が30人であったとしても、
学業優秀で合格できるのはごく僅か。
募集枠の殆どは部活動ので活躍が期待される生徒のためのものなのです。
例えば、通知表オール5の生徒が安積高校をⅠ期で受験したとします。
この生徒が、Ⅰ期で不合格になったからといって、
Ⅱ期で安積高校の受験を断念することがあるでしょうか?
きっと、Ⅱ期も安積高校を受験して、実力で合格を手に入れることでしょう。
Ⅱ期で手に入る生徒をわざわざⅠ期で合格させては、
高校には何のメリットもありません。
それならば、合格のボーダーライン上にいる部活の成績が優秀な生徒を合格させた方が
高校としてはメリトッが大きいのです。
学業優秀でⅠ期選抜の内定をもらえる生徒は、
部活動でほしい人材を手に入れた残りの枠しか用意されてはいないのです。
それほど学業でⅠ期合格を手に入れるのは難しいと言えます。
Ⅰ期で受験した高校側の先生たちに、
「この生徒をここで落としてしまったら、Ⅱ期選抜でのライバル校にとられてしまうかも!」
と思ってもらえれば合格できるかもしれませんね。