2022/08/25
夏休みの宿題の中で厄介なのが読書感想文。
はっきり言って読書感想文って百害あって一利無しです(一利ぐらいはあるのかな?)。読書感想文に限らず、小・中学生が書かせられる作文は、教師が喜ぶような価値観に基づいた文を書かなければいけないきまりになっています。本来思ったことを自由に書いていいはずの表現活動が、教師のご機嫌をうかがいながら、美辞麗句を書き連ねて虚構を作り上げていかなければならない苦行になってしまっているのです。こんな宿題、頭を悩ませて書くだけ時間の無駄です。本を読んだらっさっさと感想文を書いてしまいましょう。節約できた時間を受験勉強にあてたほうがよっぽどマシです。
読書感想文の書き方
ポイント1
登場人物に語りかけるように書く。
ポイント3
手紙の文体で書く。
ポイント3
本音を書く。
読書感想文コンクールで入賞しようと思っている人は、ポイント3は無視してください。大人の喜びそうなことを忖度(そんたく)して書くとよいでしょう。
読書感想文の例
「桃太郎を読んで」
桃太郎、あなたはどんな気持ちで鬼退治に出かけたの。自分の命をかけてまで、村のみんなのために鬼に立ち向かっていったあなたの勇気に、私はただただ驚かされました。
桃から生まれたあなたは、両親の顔を知らないまま育てられました。そんなあなたにとっておじいさんやおばあさん、そして村の人たちみんなが、お父さん、お母さんと同じくらいに大切な存在だったのかもしれませんね。それだけに、村を襲って、悪事の限りを尽くしていく鬼たちを、あなたはどうしても許せなかったのかもしれません。私にはあなたと同じくらいの勇気があるかはわからないけれど、もしも同じ立場だったら、鬼たちのことを許せなかったと思う。
でも、そんな鬼たちでも、完膚なきまでに叩きのめす必要はあったのでしょうか。鬼たちにだって家族がいたはずです。命乞いをした鬼はひとりや二人ではなかったと思います。あなたに親を退治された子鬼たちは、今度はあなたへの憎悪を胸に生きていかなければならないのではないですか。そうなれば、今度はあなたが狙われます。あなたが助けたはずの村人たちは、今度はいつ復習をしに来るやも知れぬ鬼たちを恐れながら、暮らしていかなければならないのではないですか。
暴力に対して暴力で応えていては、いつまでたっても相手を憎む気持ちはなくなりません。このような負の連鎖を断ち切るためには、敵を赦す大きな心が必要なのだと思います。私は鬼に立ち向かったあなたの勇気は真似できないけれど、あなたとは違った方法でみんなが笑顔で暮らしていける世の中を作っていきたい。今の私にできることなんて、ほんの小さなことだけど、いつかは社会を大きく動かすそんなことができる人に私はなりたい。