2022/08/25
「可算名詞と不可算名詞の区別は難しい」
「日本語では数えられる名詞が、英語だとなぜか不可算名詞になる…どうして? 」
そんなお悩みや疑問はありませんか?
日本語では区別がない「可算名詞」と「不可算名詞」
どうしたら区別できるのでしょうか?
そのポイントは「認知文法」
ネイティブの感覚で可算名詞・不可算名詞を学ぶと、簡単に区別できるようになります
「数えられる名詞」「数えられない名詞」の意味
みなさんは「可算名詞」「不可算名詞」をどのように理解していますが?
可算名詞は「数えられる名詞」、不可算名詞は「数えられない名詞」と覚えている筈
たとえば、“pencil”「鉛筆」や “book”「本」などは数えられる、だから可算名詞
“water”「水」や “love”「愛」などは数えられない、だから不可算名詞
といった感じですよね
以下の日本語を英語にするとどうなります?
「紙1枚」「氷1個」「パン1枚」「チョーク1本」「チョコレート1枚」
日本語だとどれも数えられるので、
“a paper”、“an ice”、“a bread”、“a chalk”、“a chocolate” とイメージしたのではないせしょうか?
しかし、これらはすべて、英語では不可算名詞なので、
“a” や “an” を名詞の前につけるのは誤り
正解はこのようになります
「紙1枚」 a sheet of paper (× a paper)
「氷1個」 a piece/cube of ice (× an ice)
「パン1枚」 a slice of bread (× a bread)
「チョーク1本」 a piece/stick of chalk (× a chalk)
「チョコレート1枚」 a bar of chocolate (× a chocolate)
これらの不可算名詞はで「1枚」や「1個」と数量を表す場合、
“a sheet of”、“a piece of” のような、形・単位・容器などを含んだ表現を使う必要があります
英語の世界では、「数えられる」に次のようなきまりがあります
「数えられる」=これ以上形を崩したら、それと呼べなくなる形をもつ
「数えられない」=いくら分割してもそのもの自体は変わらず、これ以上崩してはいけない「形」をもっていない
「鉛筆」や「本」も、壊してしまったら「鉛筆」や「本」とは呼べません
こうした名詞が「可算名詞」です
一方、「紙」や「氷」は粉々にしたところで「紙」や「氷」であることには変わり在りません
バラバラに形を崩しても、物の性質が変わっらないものが「不可算名詞」です
つまり、英語の世界における「数えられる」は、
「1個、2個……」と数え上げられることを意味しているわけではないんですね
可算名詞と不可算名詞の区別には、
まず英語の世界の可算・不可算の視点を把握することが大切です
みなさんのなかには、可算名詞と不可算名詞をリスト化して覚えている人がいませんか?
しかし、その覚え方は混乱を招くことになるかもしれません
なぜなら、文脈によって可算名詞にも不可算名詞にもなる名詞があるからです
たとえば、
1)I’ll peel an apple.
(リンゴを剥こう)
2)Does the fruit salad have apple in it?
(そのフルーツサラダにリンゴは入っていますか?)
1の “an apple”「リンゴ」は「丸ごと1個のリンゴ」のことなので
刻んでしまえば「丸ごとのリンゴ」ではなくなります
一方、2の “apple” は「食材としてのリンゴ」。
バラバラに形が崩れているので、さらに細かく刻んてもリンゴであることに変わりはありませんので、
“an” をつけない不可算名詞になります。
他にもこんな例があります
You’ve got egg on your shirt.
(あなたついているよ、玉子が、シャツに)
“egg” が「卵のシミ、卵液」を指すときは、不可算名詞になるんですね
“an egg” は「割れていない丸ごと1個の卵がシャツにくっついている」ことをになってしまいます
こんな例もあります
There’s a hair in my soup.
「髪の毛が1本浮かんでいる」ことを言いたいときは、“a hair” と可算名詞にします。
Jane has long hair .
(ジェーンは長髪だ)
「長髪」は、髪の毛1本1本の形に意識を向けているわけではありませんので不可算名詞です。
ちなみに、「動物の毛」を表す “hair” は可算名詞です
人間の髪の毛は髪型や長さなどに個人差がありますが、
動物の毛は一定の形状で同じものが並び立っていると見做しますので、
このような違いが生まれます
一定の形をした毛がたくさん落ちていることを述べたいときは、以下のように複数形にできます
The dog has left brown hairs on the sofa.
(その犬はソファに茶色い毛を落としていった)
文脈によって可算名詞とも不可算名詞ともとれる名詞は
可算名詞か不可算名詞かによって、微妙な意味合いの違いがあるのが通常です
よって、可算名詞と不可算名詞を分別して丸暗記するのは効果的ではありません
可算名詞と不可算名詞のそれぞれの定義を理解する方が実践的な英語力が身につきます