【古文】入試で狙われる助動詞１～３位

time 2022/12/15

1位　る・らる【受身・尊敬・可能・自発】

	未然	連用	終止	連体	已然	命令
る	れ	れ	る	るる	るれ	れよ
らる	られ	られ	らる	らるる	らるれ	られよ

受け身…「～に〇〇される」という形で使用される。「～に」の部分は省略されていることもあるので文脈から判断。無生物は受け身の主語にはならない。
尊敬…「～なさる」という形で使用される。尊敬に値する人が主語。但し主語は省略されやすいので文脈から判断することが必要。
可能…「～できる」「～できない」という形で使用される。「る・らる」+「打消し」＝「～できない」というパターンが多い。「～られず」「～られぬ」「～れず」「～れぬ」など。
自発…「～される」「自然と～」という形で使用される。「思ふ」「思ひず」「思ひ知る」「思ひ嘆く」「しのぶ」「泣く」などの心情後の後に着くことが多い。「まぼる（守る）」「見やる（＝その方を見る、遠くを見る）」などについて自発になる場合もある。

2位　む（ん）・むず（んず）【推量・意志・適当・勧誘・仮定・婉曲】

	未然	連用	終止	連体	已然	命令
む	〇	〇	む	む	め	〇
むず	〇	〇	むず	むず	むずれ	〇

「むず（んず）」は必ずしも「む」+「打消し」ではないということに注意！
「一人称」+「む」＝意志　「～よう」「～つもりだ」
「二人称」+「む」＝適当　「～がよい」・勧誘「～てはいかが」
「三人称」+「む」＝推量「～だろう」
「む」+「体言・助詞」＝婉曲「～ような」
「むに」「むには」「むは」「むも」「むこそ」＝仮定「～だとしたら」

3位　べし【すいかとめてよ】

未然

連用

終止

連体

已然

命令

べし

〇

べから

べく

べかり

べし

〇

べき

べかる

べけれ

〇

意味が多い。「推量（～だろう・～にちがいない）」「意志（～しよう・～つもりだ）」「可能（～できる）」「当然（～すべきだ・～はずだ）」「命令（～しろ）」「適当（～がよい）」「予定（～することになっている）」という形で使われる。どの意味かは文脈で判断する。「すいかとめてよ（推可当命適予）」で覚えるとよい。
「推量」…「む」を強めたもので、強めの推量
「意志」…「一人称」+「べし」という形が基本
「可能」…打消し後を伴う場合が多い
文脈で判断しなければならない問題が多いので、トレーニングを積むことが重要

例文

わが墓の前にかくべし（私の墓の前につるせ・命令）

そらをも飛ぶべからず（空を飛ぶことができない・可能）

この一矢に定むべし（この一矢で決めよう・意志）

心地死ぬべくおぼえければ（気分が悪くて死ぬだろうと思われたので・推量）

船に乗るべきところへ渡る（船に乗る予定になっているところに移動する・予定）

作文にぞ乗るべかりける（漢詩を作る船に乗ればよかった・適当）

ほととぎす鳴くべき時にちかづきにけり（ホトトギスが鳴くはずの時期に近づいた・当然）

聞きつけたまひつべう（「べく」のイ音便）こそありしか（聞きつけなさることができそうであった・可能）

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