【古文】出題頻度ランキング！用言（動詞・形容詞・形容動詞）の活用形のポイント

time 2022/12/11

入試の文法の中で用言の出題率は約13％です。中でも下二段活用動詞の出題が圧倒的に多くなっています。形容詞の出題率は低いものの、係り結びとの絡みが上位抱く額で出題される傾向にあります。形容動詞は「に」「なり」の識別がほぼ全てです。

動詞の出題頻度ランキング

1位：下二段活用

下二段	未然	連用	終止	連体	已然	命令
音	ｅ	ｅ	ｕ	ｕる	ｕれ	ｅよ
例	捨て	捨て	捨つ	捨つる	捨つる	捨てよ

「経（ふ）」—へ・へ・ふ・ふる・ふれ・へよ
「寝（ぬ）」—ね・ね・ぬ・ぬる・ぬれ・ねよ
「得（う）」—え・え・う・うる・うれ・えよ

上記の3つは出題頻度高し

2位：四段活用

四段	未然	連用	終止	連体	已然	命令
音	ａ	ｉ	ｕ	ｕ	ｅ	ｅ
例	咲か	咲き	咲く	咲く	咲け	咲け

「飽く—あか・あき・あく・あく・あけ・あけ」「生く—いか・いき・いく・いく・いけ・いけ」は四段活用とわかりにくいので注意
「たまへり」—尊敬の四段活用動詞の「給ふ」+完了の助動詞「り」
四段活用動詞の終止形と連体形は同じなので、それぞれに続く「なり」の識別に注意！
「四段活用動詞の終止形+『なり』」の「なり」は伝聞推定
「四段活用動詞の連体形+『なり』」の「なり」は断定。

3位：カ行変格活用

四段

未然

連用

終止

連体

已然

命令

音

こ

き

く

くる

くれ

こ

こよ

例

来

来る

来れ

来

来よ

カ行変格活用動詞は「来」しかありませんので、活用は完璧に覚える
命令形の「こ」に関する出題が圧倒的多数派
「ば」との接続は「こば（『来』の未然形+仮定条件の接続助詞『ば』）」か「くれば（『来』の已然形+確定条件の接続助詞『ば』）」で文法的解釈変わります。
過去の助動詞「き」と接続すると「来し方（きしかた）」「来しかば（きしかば）」となる。

4位　サ行変格活用

四段	未然	連用	終止	連体	已然	命令
音	せ	し	す	する	すれ	せよ

基本的にサ変動詞は「す」のみ
「恋す」「心す」「愛す」「具す」「奏す」「啓す」「かなしうす」などの複合動詞に注意
「信ず」「興ず」「御覧ず」「打（ちょう）ず」「念ず」などの音が濁る複合動詞に注意

5位　上二段活用

四段	未然	連用	終止	連体	已然	命令
音	i	i	u	uる	uれ	iよ
例	恨み	恨み	恨む	恨むる	恨むれ	恨みよ

打消しの「ず」をつけるとイ段音になる
「老ゆ」「悔ゆ」「報ゆ」はラ行上二段活用なので「い・い・ゆ・ゆる・ゆれ・いよ」となる点に注意

6位　ラ行変格活用

四段	未然	連用	終止	連体	已然	命令
音	ら	り	り	る	れ	れ
例	あら	あり	あり	ある	あれ	あれ

ラ変動詞は「あり」「をり」「侍り」「いますがり」のみ
終止形が「り」＝イ段音で終わるのはラ変動詞のみ

7位　上一段活用

四段

未然

連用

終止

連体

已然

命令

音

iる

iれ

iよ

例

来

来る

来れ

来

来よ

「ひ（干）る」「み（見・鑑み）る」「に（煮・似）る」「き（着）る」「い（射・鋳）る」「ゐ（居・率）る」
ヤ行の「い（射・鋳）る」、ワ行の「ゐ（居・率）る」「率ゐる」「用ゐる」の識別に注意

8位　ナ行変格活用

四段	未然	連用	終止	連体	已然	命令
音	な	に	ぬ	ぬる	ぬれ	ね
例	死ぬ	死に	死ぬ	死ぬる	死ぬれ	死ね

ナ変動詞は「死ぬ」「去（い）ぬ」「往（い）ぬ」の３つだけ
ナ行下一段動詞「寝（い）ぬ」との混同に注意（「寝ぬ」は未然形が「寝（い）ねず」となる）

9位　下一段活用

四段	未然	連用	終止	連体	已然	命令
音	け	け	ける	ける	けれ	けよ

下一段活用動詞は「蹴る」のみ

10位　動詞の音便

イ音便　「泣きて」→「泣いて」
ウ音便　「読みて」→「読うで」・「会ひたり」→「会うたり」
撥音便　「転びて」→「転んで」・「死にたり」→「死んだり」
促音便　「折りて」→「折って」

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