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古文攻略法 「思ふ」「見る」「聞く」 についた 「給ふ」 が問われたら、 下二段謙譲語と思え

time 2019/11/25

古文攻略法 「思ふ」「見る」「聞く」 についた 「給ふ」 が問われたら、 下二段謙譲語と思え
出題者は謙譲語の「給ふ」を見ると、問題をつくりたくなる。受験生を悩ませる単語はいくつかあるが、なかでも「給ふ」 は、“受験生
泣かせー の筆頭だろう。この語にも、四段活用と下二段活用のものがあり、その両方が独立動詞と補助動詞としての用法をもっている。四段の独立動詞は尊敬語で 「お与えになる」、下二段の独立動詞は謙譲語で 「食べさせていただく」という意味だが、これらが問われることは少ない。むしろ問題になりやすいのは補助動詞のほうで、四段は尊敬の 「-なさる」、下二段は謙譲で 「-させていただく、-申しあげる」 という意味である。しかし、実際には四段の尊敬語がほとんどで、下二段の謙譲語はあまり出てこない。ということは、出題者はそこを突いてくるわけだ。「給ふ」が問われた場合、下二段の補助動詞をまず疑ってほしい。
例題  早稲田大学(文)
〔問〕 傍線部「思う給ふなり」には通常の文法からは誤りとされるところがーつある。それを正すもっとも適当なものを次の中から選べ。
イ 「思う」を「思ひ」 に
ロ 「思う」 を 「思ふ」 に
ハ 「給ふ」 を 「給ふる」 に
ニ 「給ふ」 を 「給へる」 に
ホ 「なり」 を 「なむ」 に
へ 「なり」 を 「なる」 に
「給ふ」が間われたらまず疑うのは下二段、謙譲の用法であった。そうするとここでの 本命 はハの 「給ふる」 しかない。 まず、「給ふ」を含む一文に傍線を引いたということは、 ハかニだろう。
ところが、二の 「給へる」 などという活用は、下二段にも四段にもない。だからあやしいのはハだ。正解もハ。
「給ふ」をいきなり下二段と決めつけてしまうことに不安を感じる人もいるかもしれない。その不安を解消するひとつの目安をつぎの例で教えよう。
例題
〔問〕 傍線部分の語①~⑤にーつだけ用法上の意味を異にするものがある。それを選び、番号で答えよ。
本文
・・・三月にはいと重くならせたまひぬれば・・・ (中略)・・・ 院に別れたてまつら母たまひしほどは、 ・・・(中略)・・・ 今年はかならずのがるまじき年と思ひたまへつれど、・・・ (中略)・・・ つつしませたまふべき御年なるに、・・・ (中略)・・・ せさせたまはざりけることと、
謙譲語の補助動詞、下二段の 「給ふ」 は 「思ふ」「見る」「聞く」 にしかつかない。まずこのことをしっかり覚えてほしい。このことを覚えていれば、とりあえず本命は、 「思ひたまへつれど」だろう。ただし、「思ふ」「見る」「聞く」 の下にある 「給ふ」がすべて下二段というわけではないから誤解しないように。というのも、四段の 「給ふ」 は、すべての活用語につくことができる。だから、「思ふ」「見る」「聞く」 についた 「給ふ」だけは、四段か下二段かの判定をしなければならない。
では、「思ひたまへつれど」の 「たまへ」 を文法的に考えてみよう。「たまへ」 は四段にも下二段にもある活用形だ。四段活用で 「たまへ」となるのは巳然形か命令形、  下二段活用では未然形と連用形に「たまへ」という活用がある。「たまへ」 のあとにつづく「つれど」 の 「つれ」 は完了の助動詞「つ」 の巳然形で、これは連用形接続の助動詞であるから、結局「思ひたまへつれど」は下二段、謙譲の「給ふ」 であることが確かめられる。ちなみに、その他の 「たまふ」 は四段活用にしかない活用形だから尊敬 である。

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