2022/08/25
古文や漢文を読むとき、多くの受験生がつまずくのが「登場人物の心情をどう読み取るか」という点です。現代文の小説でも人物の気持ちを問う問題は出題されますが、古典では表現が間接的であったり、文化背景が現代と異なったりするため、直接的に「悲しい」「嬉しい」と書かれていることは少ないのが特徴です。そのため、文章の流れや場面の変化をしっかり押さえることが、心情理解の大きなヒントになります。
本記事では、大学受験の古文・漢文で登場人物の心情をつかむ際に役立つ「場面変化」の視点を解説し、実際の問題でどのように応用できるのかを具体的に示していきます。
1. なぜ「場面変化」に注目すべきなのか?
古典の文章は、現代の小説のように細やかな心理描写がされるわけではありません。その代わり、場面の切り替えや状況の変化を通じて、人物の心情が間接的に示されるケースが多いのです。
たとえば、
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「場所の移動」=気持ちの変化のきっかけ
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「時間の経過」=心情の整理や深まり
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「新しい人物の登場」=感情の揺れや葛藤
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「天候や自然描写の変化」=人物の心理を映す鏡
このように、場面の転換は登場人物の心の動きを読み解く「サイン」として機能します。
2. 古文における場面変化の典型例
古文の文章では、特に以下のような場面変化が頻出です。
(1) 邂逅(出会い)
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男女が初めて出会う、あるいは再会する場面。
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喜びやときめき、驚き、戸惑いなどが心情に表れやすい。
例:「逢ひ見ての後の心こそ、昔よりはまさりけれ」(『後撰和歌集』)
(2) 別離
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都からの出立、流罪、別れの場面。
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悲しみ、嘆き、未練といった感情が読み取りやすい。
例:「名残を惜しみて涙を落とす」(『更級日記』)
(3) 時間の経過
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季節の移り変わり、年月の経過。
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心情が変化・成熟していく契機となる。
例:「月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり」(『奥の細道』冒頭、古文ではないが典型的な例)
(4) 自然描写の挿入
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月・花・雪・雨などの描写。
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「もののあはれ」を強調し、登場人物の感情を投影する。
例:「春の夜の夢の浮橋とだえして 峰にわかるる横雲の空」(『源氏物語』)
3. 漢文における場面変化の典型例
漢文もまた、直接的に心理を描かず、行動や状況の変化から心情を推測させるのが基本です。
(1) 行動の転換
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「去」「帰」「走」「哭」など、登場人物の行動が大きく変わる場面。
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行動の背景にある感情(怒り・悲しみ・喜び)を読み解く。
(2) 天候や自然の描写
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「風」「雨」「月」「雪」などの自然は、人物の心情を映す。
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「悲風」「白日」「孤舟」などの表現が出てきたら要注意。
(3) 人物の登場・退場
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新たな人物の登場=心理的な揺らぎ
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人物の死去や去就=悲嘆や孤独
(4) 歴史的・社会的状況の変化
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戦乱、政変、旅立ちなど。
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個人の心情が社会状況とリンクして表現される。
4. 心情をつかむための実践ステップ
では、実際に問題を解くとき、どのように「場面変化」を利用すればよいのでしょうか。以下の手順をおすすめします。
ステップ1:まずは「転換点」に印をつける
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「ところ変はりて」「やがて」「かくて」「しばしば」「忽ち」などの接続表現
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人物の移動・時間の経過・天候の変化を見つけたらチェック
ステップ2:転換点の前後で心情がどう変わるか整理
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出会う前と出会った後の心理
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別れる前と別れた後の心理
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季節の前後での気持ちの違い
ステップ3:心情を抽象化して答えにまとめる
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直接「悲しい」とは書いていなくても、「涙を落とす」=悲嘆
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「月を眺める」=物思い・孤独感
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行動・自然描写を「気持ちの変化」として言い換えることが大切
5. よくある誤解と注意点
(1) 「言葉通りに受け取る」だけでは足りない
古典では「泣く=悲しい」と単純に直結するのではなく、背景や状況を考慮する必要があります。
(2) 「自然描写=美しい風景」とだけ捉えない
自然は「心情を映す鏡」です。桜=出会いと別れ、月=孤独・物思い、といった象徴性を理解しておきましょう。
(3) 現代的な感覚で読み替えすぎない
例えば「身分差による恋の障害」は現代には少ないですが、当時は切実な問題でした。歴史的背景を踏まえた読み取りが重要です。
6. 実際の問題での応用例
古文の例(源氏物語)
場面:光源氏が夕顔の死を悼む場面。
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「亡き骸を見て涙を流す」=直接の悲しみ
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「夜の月を眺める」=孤独感・儚さの意識
→「大切な人を失った深い悲しみと、人生の無常を感じている」とまとめる。
漢文の例(杜甫「登高」)
場面:秋に高台に登り、遠くを見渡す。
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「無邊落木蕭蕭下」=落葉の描写→人生のはかなさ
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「萬里悲秋常作客」=放浪の孤独感
→「秋の自然描写を通じて、自らの孤独や漂泊の悲しみを表している」と解釈。
7. 学習の実践法
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音読して場面を体感する
心情の変化はリズムや調子に表れることも多いので、音読が効果的。 -
場面ごとに要約する練習
文章を「出会い」「別れ」「自然描写」と区切り、それぞれの心情を一言で表す練習をする。 -
心情語彙をストックする
「悲嘆」「孤独」「無常観」「歓喜」「ときめき」など、心情を表す語彙を持っておくと答案で使いやすい。
8. まとめ
古文・漢文で登場人物の心情を正しくつかむためには、直接的な心理描写ではなく「場面変化」に注目することが大切です。
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出会い・別れ・時間経過・自然描写が心情を表す
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漢文では行動や自然が心理を映す
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転換点を見抜き、心情を抽象化して答えにまとめる
この習慣を身につけると、単に文章を読むのではなく、「人間の心の動きを追う」という本質的な読解ができるようになります。大学受験だけでなく、古典を楽しむ力も養えるでしょう。
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