【小論文】書き出しに困らない小論文の序論テンプレートを引き立てるコツ

time 2025/05/30

小論文を書くときに最も手が止まりやすい部分、それは「書き出し（序論）」です。
試験本番で「さあ書こう」と思っても、最初の一文が浮かばず、鉛筆が止まってしまう――そういう受験生は非常に多くいます。

しかし、実は序論にはある“型”があります。この型を使えば、「何を書いていいかわからない」という悩みはかなり解消されます。
ですが、それだけでは足りません。型を知っていても、その使い方を間違えると、ありきたりで説得力のない序論になってしまうのです。

そこでこの記事では、

小論文の序論テンプレートの具体例
テンプレを“使いこなす”ための3つのコツ
よくあるNGパターンとその改善法

をわかりやすく解説します。小論文が苦手な高校生や、お子さんの勉強を支える保護者の方にとっても、参考になる内容をお届けします。

小論文の基本構成と序論の役割

まずは、小論文の基本構成を確認しておきましょう。

一般的な小論文の構成

序論（導入）：テーマに対する問題提起や現状説明
本論（主張と根拠）：自分の意見・立場を明示し、理由や例を挙げて展開
結論（まとめ）：主張を再確認し、未来への展望や提案を加える

このうち、**序論は「読み手を引き込むための導入部」**です。
ここで読者の興味を惹けるかどうか、また「この人は筋の通ったことを書きそうだ」と思わせられるかどうかで、小論文全体の印象が大きく左右されます。

つまり、「なんとなく書き始める」のではなく、序論には明確な狙いと戦略が必要です。

まずは使える！基本の序論テンプレート

まずは、あらゆるテーマに応用できるオーソドックスなテンプレートを紹介します。

■基本の序論テンプレート（問題提起型）

現代社会では〜という問題が注目されている。
たしかに〜という意見もあるが、私は〜と考える。
なぜなら、〜という理由があるからである。

このテンプレートの強みは、「主張の予告」と「問題提起」のバランスが取れている点です。小論文の定番の型であり、共通テスト型記述問題や推薦入試、小論文課題など幅広く使えます。

たとえばテーマが「高齢化社会への対応」であれば、

現代社会では高齢化の進行が大きな課題となっている。
たしかに高齢者を支える制度は整いつつあるが、私は若者世代の意識改革も必要だと考える。
なぜなら、世代間の相互理解がなければ制度も形骸化してしまう恐れがあるからである。

このように、「現状 → 主張の方向性 → 理由（簡潔に）」の順に並べれば、読み手にとっても理解しやすい流れになります。

序論テンプレートを引き立てる3つのコツ

テンプレートをそのまま使うのは便利ですが、そのままだと「誰でも書ける感じ」「テンプレ感丸出し」になってしまうリスクもあります。

ここでは、基本テンプレを活かしつつ、説得力と個性を加える3つのコツを紹介します。

コツ①：テーマに数字・事例を添える

抽象的な問題提起では、説得力が弱くなります。そこで、「具体的な事例」や「統計データ」などを冒頭に入れると、文章の信頼感が一気に高まります。

例：

日本では65歳以上の人口が全体の約3割を占めるとされており、社会全体の高齢化が進行している。
たしかに医療や年金制度の見直しが進んでいるが、私は〜と考える。

たった1文、数字を入れるだけで文章がグッと引き締まります。

コツ②：「たしかに〜だが」を工夫して深みを出す

テンプレートにある「たしかに〜だが、私は〜」という部分は、一度は相手の主張を認めてから、自分の立場を述べる非常に有効なパターンです。

ただし、ここが浅いと「ありがちな構文」にしか見えません。例えば：

❌「たしかに制度の充実は大切だが〜」
⭕

たしかに制度を整えることは短期的な対応策として有効だが、それだけでは根本的な解決にはならない。

というように、一歩踏み込んだ視点を入れると、論の深さが伝わります。

コツ③：主張の「理由」は1文で言い切る

序論でありがちなミスが、「理由部分が長すぎて結論がぼやける」こと。
「私は〜と考える。なぜなら…」のあとの理由は、できるだけ一文で言い切ることが鉄則です。

たとえば：

❌「なぜなら、それによって多くの人の意識が変わることができて、さらに社会全体が変わっていくと思うからです。」
⭕

なぜなら、根本的な意識の変化なくして制度の持続は難しいからである。

このように簡潔に言い切ると、主張の力が増します。

よくあるNGパターンとその改善法

①「問題提起」があいまい

現代社会ではいろいろな問題がある。

→ 曖昧すぎて何の話かわかりません。「何が」問題なのかを明示することが大切です。

改善例：

現代社会では少子化に伴う労働力不足が深刻な問題となっている。

②「自分の意見」がわからない

たしかにいろいろな考え方があるが、私は人それぞれだと思う。

→ 小論文では意見の「明確さ」が評価されます。曖昧な主張は避けましょう。

改善例：

私は、国全体で子育て支援を進めるべきだと考える。

③「話し言葉」が混じる

〜だと思います。〜じゃないかと思います。

→ 小論文は論理的な文章なので、敬語や話し言葉ではなく「〜と考える」「〜であるべきだ」など、断定的な表現を使いましょう。

序論が決まれば小論文は8割完成する

小論文に苦手意識を持つ人の多くが、「何から書けばいいかわからない」と悩みます。
しかし、序論の型とその活かし方さえ身につければ、小論文の全体像が一気に明確になります。

序論で

テーマの問題点を提示し
自分の立場を明確にし
その理由を簡潔に述べる

という3ステップが決まれば、残りの本論・結論は「その主張をどう補強するか」を書くだけで済むからです。

まとめ：テンプレートは“使い方”が命

序論テンプレートは、あくまで“書き出しの道しるべ”です。大切なのは、それを使って自分なりの主張と論理をしっかりと組み立てること。

数字や具体例を添える
相手の主張を認めつつ、自分の考えを展開する
理由は一文で簡潔に言い切る

これらの工夫を加えるだけで、テンプレートの威力が何倍にも引き立ちます。

「序論が書けない…」から、「最初の3行が決まればスラスラ書ける！」という感覚に変わるはずです。
ぜひ、紹介したテンプレートとコツを、自分の書く小論文に活かしてみてください。

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