
ノートまとめをして,問題練習をたくさんしているのに社会の点数が上がらない人がいます。
そもそも,ノートに一度まとめたくらいで授業の内容をバッチリ覚えることができるくらいなら苦労はしません。だからといって2回も3回もノートまとめをしていては効率が悪すぎます。社会で学習したことをしっかりと覚えておこうとするならば,ノートまとめは1回にとどめ,後は問題練習をしながら知識を固めていくという作業が必要です。問題練習はどの教科であっても必要な勉強ですが,いくら問題練習をやっても,一向に点数が上がらない残念な人がいます。社会科の問題練習をたくさんやっても点数が上がらない人は1つの問題を解いたら1つの答えしか覚えようとしていません。ここが落とし穴なのです。社会の問題練習では,ひとつの問題を解いたら,答え合わせをするときに問題の答えだけではなく,その答えに関係する周辺領域の事項間であわせて覚えてしまうということが必要です。
例えば,平成27年実施の福島県の実力テスト3年生第1回社会の問題にこのようなものがありました。
前略~日清戦争と日露戦争について述べた分として正しいものを,次のア~エの中からひとつ選びなさい。
ア 日清戦争に勝利した日本は,清と講和条約のポーツマス条約を結んだ
イ 日清戦争の講和条約では,多大な犠牲に対して賠償金を得ることができなかった。
ウ 日露戦争では,東郷平八郎が率いる日本艦隊がロシア艦隊に勝利した。
エ イギリスの仲介により,日露戦争の講和条約が結ばれた。
もちろん答えは「ウ」です。点数が伸びない残念な人は,この問題を通して「日露戦争では,東郷平八郎が率いる日本艦隊がロシア艦隊に勝利した。」ことしか学習しません。
しかし,不正解であるほかの選択肢を読み解くことで,日清・日露戦争にまつわる関連事項を学ぶことができるのです。
選択肢アより・・・清と結んだ条約は下関条約。通常の戦争の場合,敗戦国が戦勝国に赴いて講和条約を締結する。第1次大戦ではドイツがフランスのヴェルサイユでヴェルサイユ条約を結びました。第二次世界大戦では日本がアメリカのサンフランシスコで平和条約に調印しています。
選択肢アイエより・・・日露戦争は,アメリカ合衆国の船ポーツマスの艦上で講和条約が締結されました。これは,ロシアが必ずしも降伏したために日露戦争が終わったわけではかったためです。
ロシアはロシア革命が起こったために戦争の継続が困難になり,日本は資源に国であるがゆえに長期にわたる戦争状態を望んでいなかったために,お互いがアメリカの仲裁を受け入れました。そのため,形式的には日本の勝利という形で講和条約が結ばれましたが,ロシアは純粋な敗戦国ではなかったため,賠償金の支払いは拒否しました。
代わりに,朝鮮半島での指導的立場と満州鉄道の敷設権を日本に認めましたが,いずれにしてもロシアが自国の財産を失ったわけではありません。
さらに日清戦争で結ばれた下関条約では,日本は2億両(テール)という巨額の賠償金だけでなく,遼東半島が日本に割譲されました。しかし,遼東半島は独・仏・露の三国干渉によって日本から清へと返還されます。国民の血と引き換えに手に入れた遼東半島を返還させられた日本は,くすぶる国民の不満を臥薪嘗胆のスローガンの下,三国干渉の主導的立場にあったロシアへ対する国民の敵愾心をあおり,結果として日露戦争へと突き進むきっかけとなりました。
このように,ひとつの問題を解いただけでも,答え以外にもにいろんなことを覚えることができるのです。社会の問題の答え合わせをするときは,問題の答えだけでなく,問題文や選択肢を含めた問題全体をよく読んで答え以外の部分の覚えてしまうようにしましょう。せっかく勉強しているのですから,ちょっとでも多くの知識を身につけたいですね。
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