2022/08/25
「数学の大問7は捨て問題だから,勉強しなくていいよ。」
福島県内最大手の学習塾ベスト学院の先生は,塾生に対してこのように指導をしているそうです。昨年度勉強を見ていた中学3年生から聞きました。(裏は取っていませんが…)確かに福島県の公立高校の入試問題の中で,数学の大問7は毎年のように難問が出題されています。時間をかければ解くことができる問題ですが,50分間という制限時間の中で,大問1~6を解いた残り時間で答えを出そうとすると,相当難しいです。事実,例年の正答率が1%前後ということからも,その難易度がわかると思います。
私も入試本番では,数学の大問7の点数と何が何でも取りに行く必要はないと考えています。大問7の配点は4点。大問7よりもときやすい大問6も配点は4点です。ならば,点が取りにくい大問7よりも,比較的点の取りやすい大問6を確実に取りに行く,というのが解答のテクニック的には正解といえるでしょう。
しかし,大問7のような空間図形の応用問題の勉強をしなくていい,という塾の先生の指導はいかがなものか?と思います。生徒たちは,高校に入学してしまえば終わりというわけではありません。むしろ,高校に入学してからのほうが,中学よりも難解な学問と向き合っていかなければならないのです。合格のために必要ないからといって,難問を解くための勉強をのものを否定してしまうというのは,本末転倒です。
受験生にとって,入試本番までの時間は貴重なものなので,点になりにくい難問対策のために,多くの時間を割いてしまう必要はありません。だからといって,難問を解く練習をまったくしないのでは,高校入学後のレベルの高い数学についていけなくなってしまう恐れがあります。
これはあくまで私個人の意見ですが,安積,安積黎明,郡山,郡山東を目指す受験生であれば,時間をかければ,空間図形の応用問題を問うことができるくらいの勉強はしておいたほうが賢明です。高校に入ってから,いらぬ苦労をしなくてすみますので。