2022/08/25
数年前のことですが、数学の問題を解くときに、やたらと暗算をする生徒がいました。
その暗算が正確だったらよいのですが、時々ミスをする。
しかも大事なところで。
こういう子は暗算に自信をもっています。
私が「きちんと式を書いて計算したほうがいいよ。」とアドバイスをしても、
「でも、暗算でやっちゃいたいんっすよ。」って感じで聞き入れてくれません。
単純な四則演算だったら、暗算でもいいのですが、面積を求めたり連立方程式を加減法で解くときも暗算で解こうとしてミスをするのです。
その後は決まって「ケアレスミスだ・・・。」の一言。
反省の様子はまるで無し。
それって、ケアレスミスではありません。
単なる実力不足です。
この子の場合、何でもかんでも暗算で解こうとするのをためて、ちょっと複雑な式になったら問題の余白にでも式を書いて計算する習慣をつければよいだけです。
何度も言いますが、正しく暗算できる力があれば、どんどん暗算で解いてしまってかまいません。
でも、計算ミスの心配が少しでもある場合は、きちんと式を書いて計算するべきなのです。
式を目で見て計算することで、計算間違いは劇的に少なくなります。
自分の力を過信しすぎたり、式を書くことで紙を汚したくないというつまらない理由で、計算ミスをするのは本末転倒です。
よほどの自信がない限り、計算をするときは式を書くことを忘れずに。
それだけでミスは減らせます。
結局この子は、自分のケアレスミスの原因が暗算にあるということに気づき、式を書いて計算をするようになりました。
第一志望の高校に合格した後は、充実した高校生活を送っているようです。